【H×H】転生したら推しに囲まれましたっ！？〜三次試験からゾルディック家編〜 (ページ27)

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お姫様抱っこだぜページ27

直後、カチャという金属音がした。

その正体は私のスプーンだった。

手の力が入らず痙攣していることがわかる。

「あーあ。だからやめておけば良かったのに。それ、痺れ薬だよ。」

そう言ってイルミは解毒剤を私の口に流し込む。

身体は思い通りに動いてくれないが意識だけはある。

「母さん、Aを客間に運ぶから。」

「ほんと、ごめんなさいね、Aちゃん！そうしてあげて。」

私の身体はぐぅっと持ち上がり、お姫様抱っこをされた。

お姫様抱っこである。

さっきは抱えられていたのに。

ツンデレか？

イルミは静かな廊下をコツコツと歩いていく。

ふとイルミが顔を下げ、私と目が合う。

「良かったね。この薬の効果は弱いから1日もすれば治るよ。」

『……』

「ああ、まだ喋れないか。……オレはこの後仕事だけど、その間にキル探しに変にうろちょろすると死ぬから。」

ゾルディック家の屋敷の場合、冗談じゃないから怖い。

まだ声も出せず、顔も動かせずの状態なので目で(分かった)と伝えた。

イルミがまた前を向いて歩き出したのでおそらく伝わったのだろう。