久々の再会と目指す場所 ページ19
額にペチペチと何かが当っている。
鬱陶しいなと思って目を開けるとそこには真っ白い空間が広がっていた。
ん、ここどこ？
「久しぶりじゃない」
寝そべっている私の横にナウルがいた。
『は……ナウル？』
私が情けない声を出すと、ナウルは眉間にしわをよせていく。
「Aってやつは……早く死 にすぎなんよ！！」
どっから出してきたんだとツッコミたくなる蛇腹扇子でまた叩いてくる。
『ちょっと！怪我人になにして……って、あれ？』
穴が空いていた脇腹は綺麗にふさがっていて、服も元通り、痛みもない。
そんな馬鹿な……
『もしかして、ここって天国？でも前世で死 んだ時はこんな所来てない……』
ナウルは呆れたようにため息をつく。
「お前さんが想像以上に早く死 にそうだから時を止めて、治療してあげたのよ。お前さんがいるのは時間が停止している世界。」
何それ。
ファンタジーっぽい！
『ありがとおおお！！じゃ、私早速キルアのところ行くから帰して？』
するとナウルはまた私を叩く。
ひっどい神様！
「お前さんってやつは！こうも無茶ばかりすると目を離せられんわ！ってことで、あんたにはこれをやろう。」
ナウルの手には銀色のチェーンにピンクのダイヤモンドが着いているブレスレットがあった。
『なにこれ！可愛い！』
ナウルは私の左手首にブレスレットを付けながら説明してくれる。
「これをつけていればお前さんに物理攻撃が来た時、確実に防げる防御壁が発動するのさ。私への通信も可能。要するに精神攻撃や毒では危険だがそれ以外においては命の危機はないということよ。あと、お前さんの制約と誓約は命の危険があるからね、これをつけている間はノーリスクになるようにしておいたよ。」
『最高じゃん……。』
チートと言っても過言じゃない。
なんで先に渡してくれなかったんだとジト目でナウルを見るとまた叩かれた。
何？Sキャラ狙ってるわけ！？
まぁ、そんなこんなでナウルとわちゃわちゃして現実世界に戻ってきた。
今の私はベットに横たわっていて点滴を受けていた。
イルミの針での傷やキルアの手刀での穴のところに包帯が巻かれていた。
そっと包帯を解く。
傷は……完治してる。
さすがすぎて怖い。
私は[キルアのもとに行きます。探さないでください。]とメモを書き残し、病院を後にした。
目指すは……ククルーマウンテン！
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作者名：さっかーろ | 作成日時：2023年5月3日 17時
