オレ様系 ページ14
「久しぶりだね、キル」
そう言ってギタラクルは針を取ってイルミの姿に戻る。
変身シーンはちょっとばかしグ ロかったけど、やっぱり美形……。
「兄……貴！！」
「や。母さんとミルキを刺したんだって？」
「まあね」
「母さん泣いてたよ。感激してた。」
ミルキだったら内蔵まで届きそうもないけど、キキョウさんは細いから心配だわ。
そういう話でもないか。
「お前はハンターに向かないよ。お前の天職は殺し屋なんだから。そんなお前が何を求めてハンターになると？」
「確かに……ハンターになりたいと思ってるわけじゃない。だけど俺にだって欲しいものくらいある。」
「ないね」
イルミは無表情のまま即答する。
イルミは好きだけど、束縛が強すぎる。
キルアの全てが分かってるわけじゃないのに。
「言ってごらん何が望みか？」
キルアは黙って下を向いている。
「どうした？本当は望みなんてないんだろ？」
「違う！ゴンと、Aと……友達になりたい。」
『キルア……。』
キルアは必死にイルミを説得する。
でもそれは無駄だった。
「無理だね。お前に友達なんてできっこないよ。」
口を挟んだら殺されてしまう。
でも、私は怒っていた。
八つ当たりみたいなもんだ。
何も出来ない私に対しての怒りをぶつける。
『イルミ！！残念ですけど、私とゴンとキルアはもう友達です！』
「え？そうなの？そうかまいったな。もう友達のつもりなのか。」
イルミは顎に手を当てて考え込んでいる。
「よし、ゴンとAを殺そう」
そう言って針を投げてくる。
その針は私の右頬を掠った。
う、抉られた。
針の先鋭すぎるわ。
私は涙目になりつつもイルミを見つめた。
『……もしあんたが私を殺しても、友達だったことに変わりないから。』
「ふーん。じゃあオレのものになりなよ、A。」
『……ん？』
何言ってんの、この人。
殺すって言ったりオレのものになれって言ったり。
思考がぶっ飛びすぎ！！
オレ様系かよ！
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作者名：さっかーろ | 作成日時：2023年5月3日 17時
