□44.スーパーセブン ページ45
────……
あっという間に日は経って、今日は雄英高校の文化祭の日だ。
もう着替えは済ませて私の部屋に来ている壊理は、ベッドの上から着替えている私を眺めていた。
…昨夜、相澤さんから受け取った紙袋には服が一式入っていたのだ。
セーラー服とパジャマ以外の服を着るのはいつぶりだろう。
ベージュのAラインワンピース。
膝丈がふんわりとしていて、いつもと違ってちゃんと高校生らしい。
『壊理、久しぶりに髪の毛結ぼっか』
楽しみにしていたからか、いつもより早く起きた壊理は準備を終えるのも早かった。
相澤さんと通形さんも今向かっているみたいだからまだ時間はあるし。
いつもの赤いピンを留めた私は、少し嬉しそうに頷いた壊理の横に座った。
「…A」
『ん？』
器用にサイドを可愛く編み込んでいると、壊理は頭は動かさないでぽつりと呟いた。
「ワクワクさんだね」
『…うん、私も楽しみだよ』
楽しみだっていうのは本当。
でも、怖くないかって言われたらもちろん怖い。
学校に良い思い出なんて無いし、みんなが良い人だっていうのは分かってても前例がある。
…ヒーローになりたい、って言ってたあの子は今頃なにをしてるのかな。私のことなんて忘れてのうのうと生きてるんだろうな。
───って、せっかくの学祭前になにネガティブなこと考えてるんだ。
ちょうど壊理の髪の毛を結い終わった頃、ノックの音が響いた。
ガラリと開いたドアから顔を覗かせるのは相澤さん。
「おはよう、もう準備は出来てるか？」
『あ、はい』
行こっか、壊理…なんて彼女の手を取って病院を出る。
病院の前に止まっていたタクシーの助手席には通形さんが待っていてくれていて、
「おはよう！Aちゃん、壊理ちゃん！」
『えと、おはようございます』
タクシーに乗り込んだ私たちに、にこやかに挨拶してくれた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 821人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆきんこ - 治崎廻さんが私の一番好きなキャラクターなのですが、夢小説がなかなか無くて自給自足しなきゃなぁ、と思っていたところ、この作品に出会いました。この作品が大好きです！続きもすごく気になります。更新頑張ってください。応援しています！ (2020年9月22日 14時) (
レス) id: 622aa4e7f6 (このIDを非表示/違反報告)
碧佳 - え、めっっっっっっっちゃ好きです!!!すんごい続き気になる〜！更新頑張ってください！ (2020年3月3日 12時) (レス) id: f33055e332 (このIDを非表示/違反報告)
pico(プロフ) - ありささん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しい限りです！ (2020年2月17日 0時) (レス) id: 9e63868de4 (このIDを非表示/違反報告)
ありさ(プロフ) - めちゃくちゃ好きですこの作品！めっちゃうちの読みたかったドストライクです！更新ファイトです！ (2020年2月16日 22時) (レス) id: 2c7a607a36 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
