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────……
思わず本音が零れてしまった。
そんなこと言おうと思ってなかったのに。
『……あ、あはは、ごめんねおかしなこと言って』
───お前は絶対にヒーローになれねえな！
ヒーロー。誰もが憧れる職業。
小さい頃、周りのみんながこぞってヒーローの話をしていたのを覚えてる。
無個性な私には到底ついていけるような話では無かったけれど。
みんな最終点は私に行き着くのだ。無個性だからヒーローになれない、哀れだ、と。
「なにもおかしいことじゃないよ…！」
『ち、違うの…私なんかがヒーローになれるわけないよね…何言ってんだろ、ほんとに』
髪の毛をくしゃりと掴んだ私は咄嗟にデクさんから目を逸らす。
世界で一番ヒーローに向いてない、程遠い私が何を言ってるんだろうか。
「でも…君自身はそう思ってないのかもしれないけど…壊理ちゃんにとってはAさんは誰よりも身近なヒーローだったと思う…！」
『…』
頭に浮かぶのは、私に縋るようにして泣いていた壊理ちゃん。…申し訳なさが募る。
「…彼女、自分のせいでAさんが引け目を感じて離れて行っちゃったって思ってる」
『そんなこと…』
壊理ちゃんは、あの歳にして周りの空気や人の顔色を感じ取ることに長けていた。まああの環境だったからしょうがないのかもしれないけれど。
…そんな風に思わせてしまってたなんて。
「本当はそんなことないんだよね？」
『…うん』
「Aさんのこと何も知らない僕が言うのもなんだけど…、もっと自分のこと受け入れたっていいんだよ」
すとん、と胸に落ちた言葉。
身体の緊張が解れると共に、今度は胸がぎゅっと締め付けられているみたいな気分になる。
なんで？
どうして何も知らないのにそんなこと言えるの？
『…ねえ、デクさん』
自分から人に言ったことないんだけどな。
…ああ、この人の前だとなんだか調子が狂う。
『…なんで治崎さんがただの一般人の私のことを救けてくれたか、聞いてないんだよね』
個性の話は聞いていないらしいから。
相澤さんが私に気を使ってくれたんだろうか。
『私ね、…先天的に個性が無いの』
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ゆきんこ - 治崎廻さんが私の一番好きなキャラクターなのですが、夢小説がなかなか無くて自給自足しなきゃなぁ、と思っていたところ、この作品に出会いました。この作品が大好きです！続きもすごく気になります。更新頑張ってください。応援しています！ (2020年9月22日 14時) (
レス) id: 622aa4e7f6 (このIDを非表示/違反報告)
碧佳 - え、めっっっっっっっちゃ好きです!!!すんごい続き気になる〜！更新頑張ってください！ (2020年3月3日 12時) (レス) id: f33055e332 (このIDを非表示/違反報告)
pico(プロフ) - ありささん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しい限りです！ (2020年2月17日 0時) (レス) id: 9e63868de4 (このIDを非表示/違反報告)
ありさ(プロフ) - めちゃくちゃ好きですこの作品！めっちゃうちの読みたかったドストライクです！更新ファイトです！ (2020年2月16日 22時) (レス) id: 2c7a607a36 (このIDを非表示/違反報告)
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