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□14.ゲルマニウム ページ15

「病気じゃないんだろう」

『病気…?』

「せっかくの無個性を無駄にするな」



目を見開く私に彼は「ウチの組に来い」とはっきりと言った。

横にいたもう1人の男性は少し驚いていたみたいだったけれど、



『でも…』

「分からないのか。お前が自ら命を経つことは俺が許さないと言ってるんだ」



確かに彼は私のことを必要としてくれていたと思う。

いや、元から必要なんて無かったはずなんだけど。嘘でも偽りでもそう言ってくれたんだ。



「俺が死ぬ時に俺の手でお前を(バラ)す。お前の生も死も俺のものだ」



彼がフェンスに触れた瞬間、目の前の景色が変わった。壁になっていたそのフェンスが弾け飛んだのだ。




「無個性で綺麗なお前に触れていいのは、俺がお前を殺す時だけだ」









たった1人だけだった。

初めてだった。


無個性で無価値な人間である私に手を差し伸べてくれたのは。








────……








この異社会で、受け入れられない“無個性”な私。

唯一の居場所だった八斎戒は終わった。治崎さんはもう居ない。



これから先、私はどうやって生きていけばいいのだろうか。親には捨てられ、頼る場所なんて無い。





『───私、どうなるんですか』

「暫くはここの病院で様子見だ。外出は禁止だが…何か問題があれば病院内に警察かヒーローはいるから自分で申し出ろ」

『…わかりました』



ねえ治崎さん。

どうしてあの時、殺してくれなかったの。




心の中でボソリとそう呟くけれど、当たり前のように彼の声が返ってくることは無かった。

相澤さんは「それじゃあ俺は戻る。何かあったらナースコール付いてるから」と残して去っていこうとする。



『あ、あの』



不意をついて声が出た。



『…ヒーローの彼、緑色のコスチュームの…、無事ですか…?』

「ああ、あいつならもう普通に寮に戻ったよ」

『…それならよかった』




…壊理が、人を殺してしまわなくて。

彼が無事に学校に通ってるならもう心配することは無い。




学校…、雄英高校のヒーロー科かな。






『…いいなぁ』




ぽつりと零れた声は、その場でふわりと消え去った。

■15.スフェーン→←□13.カーネリアン



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設定キーワード:僕のヒーローアカデミア , ヒロアカ , 治崎廻   
作品ジャンル:アニメ
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碧佳 - え、めっっっっっっっちゃ好きです!!!すんごい続き気になる〜!更新頑張ってください! (3月3日 12時) (レス) id: f33055e332 (このIDを非表示/違反報告)
pico(プロフ) - ありささん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しい限りです! (2月17日 0時) (レス) id: 9e63868de4 (このIDを非表示/違反報告)
ありさ(プロフ) - めちゃくちゃ好きですこの作品!めっちゃうちの読みたかったドストライクです!更新ファイトです! (2月16日 22時) (レス) id: 2c7a607a36 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:pico | 作成日時:2020年2月14日 19時

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