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□10.スモーキークォーツ ページ11

好き、というのにも色々ある。

私が治崎さんに抱いていた感情は、そんな浮かれた“好き”なんかじゃない。




───貴方は、私のたった1人のヒーローだった。




「…そうか」

『……今までありがとうございました』




これで終わるんだ。

奥にいる壊理にふ、と笑いかけたのと同時に治崎さんの指先に力が込められた。



…のに。




「…お前をここで(バラ)すのは辞めた」

『なん…で…』

「元々そういう契約じゃないだろう、俺が死ぬ時にお前を殺す。俺はまだ死なない」



冷たくて、でも綺麗な瞳のまま。
そう淡々と吐き捨てた彼はドアの方へと戻っていく。

ただ黙ってこちらを見ているクロノさんと、泣きそうな瞳の壊理と、…こちらを振り返った治崎さん。




「戻ってこられたらお前も連れてく」

『…そんな、』

「まあ…生きていられたら、の話だがな」



いつもの凍りつくような殺気だけを残して、パタンとドアが閉められた。

最後に見えたのは無力ながらこちらに手を伸ばそうとする壊理の姿。


…違う、無力なのは私の方だ。




『…ごめんね、壊理』




救けてあげられなくてごめん。

きっと私はもう貴方たちに会うことは出来ない。



治崎さんが言う“生きていられたら”というのは命の話じゃない。きっとヒーローに私の居場所がバレれば、私は警察に保護されるか捕まるかの2択。

私は治崎さんの元にいたから生きていられた。ここ以外に私の居場所は無い。

だから、



『死ぬ…』



死にたい、なんて今まで何回も思ったことがあるはずなのに。

どうしても壊理の泣きそうな瞳が頭から離れない。


私は恵まれていた。

もう思い残すことなんて無かったはずなのに。




ぐるぐると頭を巡る思いに、視界が歪んでいく。

身体に熱が回るのを感じながらも気がつけば地面に私は伏せていて。



『治崎、さ───…』




冷たい地面の感覚と、遠くで聞こえる騒がしい喧騒の音。ぼんやりと感じながら私は意識を落とした。

□11.ロードナイト→←□9.ジャスパー



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設定キーワード:僕のヒーローアカデミア , ヒロアカ , 治崎廻   
作品ジャンル:アニメ
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碧佳 - え、めっっっっっっっちゃ好きです!!!すんごい続き気になる〜!更新頑張ってください! (3月3日 12時) (レス) id: f33055e332 (このIDを非表示/違反報告)
pico(プロフ) - ありささん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しい限りです! (2月17日 0時) (レス) id: 9e63868de4 (このIDを非表示/違反報告)
ありさ(プロフ) - めちゃくちゃ好きですこの作品!めっちゃうちの読みたかったドストライクです!更新ファイトです! (2月16日 22時) (レス) id: 2c7a607a36 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:pico | 作成日時:2020年2月14日 19時

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