3輪 ページ3
『…ハァ。』
毎日実験実験実験。侑珠羽は疲れていた。毎日のように繰り返される実験は体力をとてつもなく消耗する。そして侑珠羽の個性である瞬間移動は知識が必要である。移動させたい場所や地形、地図、それらの知識が無ければ移動をさせることは出来ないのだ。
侑珠羽の個性を強化させるには知識も必要。それに気づいた研究者たちは毎晩遅くまで侑珠羽に勉強というテストをさせている。
_______ｼﾞﾘﾘﾘﾘﾘﾘ！
『ｯなに…？』
その途端鳴り響く警報音。これは何者かがこの施設に侵入してきた合図。バタバタと研究者たちが走り回りやがて怒号が聞こえるようになった。
「実験体を急いで避難させろ！！！」
「ヒーローが来た！！！急げ！！！！」
『ヒーロー…？』
「ゆずはちゃんっ！」
『白亜、私から離れないで』
不安げな顔をする白亜を抱きしめて侑珠羽は考えた。ヒーローってなに？研究者たちが慌てているということは都合の悪い相手、私たちを非難させるのは貴重な実験体を取られないため。
『白亜、行こう』
「ええ！！？あぶないよ！？」
『ここでじっとしてても一緒でしょ。なら動こう、立てる？』
「う、うん…」
『よし、いこう』
白亜の手をきつく握りしめ、侑珠羽は白亜と共に走り出した。薄っぺらい白い服に裸足で走り、永遠に続く白い廊下を走り続けた。
「No.1！No.2！どこへ行く！！？」
『ｯ邪魔！！！』
途中で白衣を着た研究者に見つかったが侑珠羽の前世は鬼殺隊である。その運動神経は今も健在で、侑珠羽の回し蹴りがダイレクトに当たり研究者は気絶した。
「ゆずはちゃんすごーい！！」
『感心してる場合じゃないから、足動かして』
キラキラと白亜が瞳を輝かせる。すると、1番奥の部屋にたどり着いた。そこはよく訓練として使われていた場所で、
『は、』
「え…？み、みんな…？」
侑珠羽と白亜以外の子供たち全員が血に濡れてそこに倒れていた。傍には真っ赤に染った1人の男がいた。
「あぁ捕まるなら…ここにいる実験体を全員殺さないと…」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 98人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
真白 - これまでに、ない感じのお話だ！(もしあったらすまん) (2023年1月27日 21時) (
レス) @page50 id: 1bd364c53c (このIDを非表示/違反報告)
ミルヤ(プロフ) - るなさん» ちゃんと表記していない私が悪いのですが、設定の中にある（）の言葉は、このお話が始まった5歳の時のものを示しています。ご歳にしては低い身長、という意味を現してます。けして155センチが低いという訳では無いです。誤解させてすみません。 (2021年8月7日 22時) (レス) id: 414ea6103a (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - 155で低すぎる、みたいなこと書かれていらっしゃいますが、その言葉によって傷つく人が居ることを知っていますか？そして日本の女性の平均身長は157程だったので、別に低すぎる、という訳では無いと思います。 (2021年8月7日 21時) (レス) id: 4ee036a203 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミルヤ | 作成日時：2021年5月31日 15時
