11輪 ページ11
しばらく山を歩けば少しばかり拓けた場所があった。
『ここでいい。』
「ん、わかった。俺そこにいるからな」
少し離れた場所にある木に凭れながら座る相澤と、拓けた場所の真ん中で木刀を構える侑珠羽。
_______ﾋｭｳｳｳｳｳｳ
その途端聞こえてきたのは独特の呼吸音。それが侑珠羽から発せられているものだと相澤は瞬時に理解した。
『薔薇の呼吸 壱ノ花 薔薇紅業火』
刹那刀を振るった侑珠羽の周りにまるで薔薇が咲き誇ったかのように見えた。それは少し離れた相澤でも感じられるほど、熱く燃えているようにも見えた。
実際侑珠羽の放った技の痕には燃えたような跡が残っていた。
『…使える…！』
一方の侑珠羽は呼吸が使えたことに対しての喜びを感じていた。実験として日々やらされていた基礎体力作りのおかげだろうか。そんなことを思いながら次々に呼吸を繰り出した。
『ハァッ、ハァッ、』
だがしかし、6つめの技を繰り出した所で息切れをしてしまった。やはり体力は落ちているらしい。前世ならもっと機敏にもっと多くの技を出せていた。このままではまずい。
「侑珠羽、休憩しろ」
『あ、りがとう、』
ん、と相澤が侑珠羽にミネラルウォーターを渡した。それを一気に飲み干す侑珠羽。
「侑珠羽、あれはなんだ？」
あれ、とは恐らく呼吸の事だろう。
『…あれは呼吸です。極限にまで心肺に酸素を送り続けることで瞬間的に運動能力を底上げさせるんです。血反吐を吐いて努力して手に入れたものです。』
人よりも小さく力のなかった侑珠羽が鬼殺隊に入隊するまでには大変な苦労があったのだ。
『わたし、前世の記憶があるんです』
「は？」
『前世です。消太くんはある？』
「いや…ねえな。」
『ないのが普通だと思うわ。でも私にはあるの。
聞いてくれる？』
「…お前が話してくれるなら、聞くよ」
『あれは_______』
それは遠い過去の記憶。
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真白 - これまでに、ない感じのお話だ！(もしあったらすまん) (2023年1月27日 21時) (
レス) @page50 id: 1bd364c53c (このIDを非表示/違反報告)
ミルヤ(プロフ) - るなさん» ちゃんと表記していない私が悪いのですが、設定の中にある（）の言葉は、このお話が始まった5歳の時のものを示しています。ご歳にしては低い身長、という意味を現してます。けして155センチが低いという訳では無いです。誤解させてすみません。 (2021年8月7日 22時) (レス) id: 414ea6103a (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - 155で低すぎる、みたいなこと書かれていらっしゃいますが、その言葉によって傷つく人が居ることを知っていますか？そして日本の女性の平均身長は157程だったので、別に低すぎる、という訳では無いと思います。 (2021年8月7日 21時) (レス) id: 4ee036a203 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミルヤ | 作成日時：2021年5月31日 15時
