あ い 色 / DAIGO . N

22色 ページ22

「大、吾。」






目の前に広がるのは大吾と学年一のモテ子さんの姿。



私は頭が回らへんかった。それどころやなかったから。







「は、え、ん？」






彼氏ができるのは初めてで当然こういうのに慣れてない。
大吾、あの告白うそやったん？


そう聞きたいのにこれ以上近づけない。







「ごめっなさっ」







自然と溢れる涙に戸惑いを隠せないまま私は走って昇降口にいった。


そうだ、私が我慢すればええ話なんや。





昇降口に何も知らないかのように立ってればなにもわかんない。

誰も傷つかずに済む。







「あ、大吾！」






「ごめんな、遅くなって」





「ううん、平気やで」







学年一のモテ子さん、羅夢(らむ)ちゃんのほうがお似合いやなって思ってしまう。


こんな平凡より羅夢ちゃんのほうが絶対ええやん。






ふと、なんでこんな私を好きになったのか不思議に思った。







でも大吾は絶対





「好きに理由いらんやん」





って言うんやろな。









「よし、帰ろ」





「帰ってますけど」





「あ、ほんまや」







でも、大吾といると幸せなのには変わりないからあのことは忘れよう。

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