あのコのお仕事 (ページ26)

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壮馬side

好き…か…

ただの仲のいい友達だと思ってた。今までは。
今までもそうだしこれからだって、友達でいられると思ってた。
でも気づいてしまった。今まで見て見ぬふりしてきたこの気持ちに───────

梅ちゃんが「じゃあ俺が貰ってもいいですよね」と言った時、柄にもなく焦ってしまった。
…なぜ？俺はAの友達。それ以上でもそれ以下でもない。そのはずだった。

「そうやって恋人でもないのに親友ってだけでAを傍に縛り付けるんですか？好きでもないのに。いつか壮馬さんは結婚して、それでもAは傍にいなきゃいけないんですか？」

それもそうだ。自分はいつか恋人ができて結婚するのだろう。なのにAの人生を俺の身勝手で縛り付けるのか？違うだろ。でも…それでも…

「何年もずっと近くにいたから気づかなかったんでしょ。それとも本当に親友ってだけですか？それならAを自由にしてやってください」

この言葉を聞いた時、今まで蓋をして奥底に沈めていた気持ちが全て湧き上がってきた。

いやだ…いやだ。
Aの隣にいるのは俺がいい。
Aを笑わせるのは俺がいい。
Aと幸せになるのは俺がいい。
これからもっと…もっと…

「…いやだ…俺は…おれは…Aの事が好きだ。だから、梅ちゃんには渡せない。ごめん。」
気づけば、そう言っていたんだ。