オレンジソース ページ12
目が覚めた時、まだみんなは寝ているようだった。
夜と朝はすこし肌寒いなあ、と思いながら
船室のドアを開けると
タバコを咥えているサンジさんがいた。
「お、早ェなA」
おはよう、とだけ言って僕は椅子に座った。
昨日の場所と同じところだ。
「サンジさんこそ起きるの早すぎない？」
「おれはコックだからな、これから仕込みさ」
楽しそうな顔をしている。
よほど料理が好きなんだろう。
まあ、そうでなきゃコックなんてやらんだろうが。
「そういや、昨日の夜聞こうと思って忘れてたんだが…
お前どんな目玉焼きが好きだ？」
「…どんな、目玉焼き……？」
「半熟が好きとか、何をかけるかとかさ」
目玉焼きは人生で何度か食べたことがある。
そもそも、朝食を食べない派
(出されたら食べてしまうのだが)なのである。
朝食代表のような目玉焼きとはあまり縁のない人生だった。
「サンジさんはどんなの食うの？」
「おれは…半熟で、両面焼いて…辛口ソースかける」
僕が「じゃあそれで」というと
サンジさんは心配そうな顔をした。
「いいのか？お前、昨日のカレー食ってた様子からして
辛いの苦手だろ」
「得意じゃないけど…」
ルフィはマヨネーズをかけるし、
しょうゆをかけるやつもいて、
ナミさんはオレンジソースだし、
チョッパーはシロップで
ロビンちゃんは黒こしょうをかける。
とサンジさんは忙しなく口を動かした後に
「今言ったもの以外でもいいんだぜ、
船にありゃの話だけどな」
と微笑んでいた。
「…オレンジソースがいい」
食ったことねェけど、と付け足して
僕は言った。
「結構チャレンジャーだな、お前」
「食と…恋に関してはね」
と、僕はおどけた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 95人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
(名前)(プロフ) - っちゃんさん» ありがとうございます！！がんばります！！！ (4月2日 22時) (
レス) id: 137cf07f9f (このIDを非表示/違反報告)
っちゃん - 楽しいです。頑張ってください！ (4月2日 20時) (レス) @page11 id: e208a5b636 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：(名前) | 作成日時：2024年3月27日 10時
