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さっき、私の後ろで転んだ人だ、と言いそうになったが、口を抑え言葉を押し込めた。
「やぁ、芥川君。調子はどうだい?」
森は相変わらずニコニコとしている。

たが、あの男は表情を崩さない。

あの男__…ではなく、芥川と呼ぼう。
芥川は不快そうにこう言い放った。



「首領、そいつはただ自分の異能に縋るだけの弱者__…ポートマフィアおろか、この世にすらお前の存在はいらぬ」




………………………
「この世にすら私の存在はいらないだと?」
体が燃えたぎるように熱い。強く握りすぎた拳から血が垂れた。
やっと見つけた居場所だ。失いたくはない。

私は気づくと、異能力を発動していた。どうやら相当怒っているのだろう。自分自身が分からない。
そして、私は“弱者”という言葉に敏感らしい。


「諦めろ。今ここで争っても邪魔なだけだ。」

男はそう言い、部屋を出た。


「えぇ、残念だなぁ…久々に、激しい争いが見れると思ったのになぁ」
森は残念そうに呟いた。私は無意識に発動された異能で体力が微妙に減ったせいか、目眩がする。

「あの…………えと」
「森鴎外だ。今更だがね。君は?」

「名前…………?あまり覚えていない…………です」
やはり敬語には慣れない。

「森さん……今さっきの男は?」
「あぁ、芥川君の事かね?」
ああ、そういえばそう言っていたな。
私は頷くと、続けて“何者なんですか”と問いかけた。
すると森さんは、ニヤリと口角を上げた。

「芥川君はねぇ…ポートマフィアの遊撃隊長なのだよ。だから多分…嫉妬したんじゃないのかなぁ…君に」
と、私の方を指差して言った。
なるほど、と、何故か納得してしまった。
「一般的な場合、君の立場の人間は大方“黒蜥蜴”という枠に入るのが多い。戦闘系だからね。しかし君は、入社して早々、その上に立つ訳だ。恨みは買うさ。」
私はここで疑問に思った。

「何故私を遊撃隊員にしたいんだ………ですか」

「それはね………」

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ra_u(プロフ) - 月羅さん» うわぁぁぁぁ(´;ω;`)うれしいですうれしいです!!ありがとうございます!!了解しました(*^^*ゞありがとうございます!!(2回目) (2018年2月14日 20時) (レス) id: 6f735cd61d (このIDを非表示/違反報告)
月羅(プロフ) - 毎回更新を待ち遠しく思っています!この小説に出会えて良かったです!今後も応援しています!※部屋の件ですが芥川さんが良いです。お願いします! (2018年2月14日 1時) (レス) id: 1a0f63813d (このIDを非表示/違反報告)
ra_u(プロフ) - 栞さん» はじめまして!!本当だ!!ご指摘ありがとうございます!!直しておきます!!ご丁寧にありがとうございました!!<(_ _)> (2018年2月4日 21時) (レス) id: 6f735cd61d (このIDを非表示/違反報告)
ra_u(プロフ) - 真昼ノ夢さん» ありがとうございます!!!続くよう頑張ります!!m(*_ _)m (2018年2月4日 21時) (レス) id: 6f735cd61d (このIDを非表示/違反報告)
- 初めまして!貴方様の小説、読ませていただきました。面白かったです!続きが気になります!ところでなのですが、2ページ目の上から6行目、エリスと呼ばれていた少年と書いてあるのですが、少女ではないでしょうか…?頑張ってください! (2018年2月4日 20時) (レス) id: 0d2b24ac7f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ra_u | 作成日時:2018年1月30日 20時

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