検索窓
今日:5 hit、昨日:9 hit、合計:24,608 hit

序章 ページ1

「エリスちゃぁん、お願いだからこの前買ったあのフリルのお洋服、着ておくれよぉ〜」
「いや。リンタローが選んだ服なんて、着たくない。」
「えぇ〜…」
項垂れる中年の男の名は、森鴎外。ポートマフィアの首領だ。
そして、エリスと呼ばれた幼女は、構わず先先と進んで行く。その度、「待ってくれよぉ」と、男は早足で追い付こうとするが、中々早く追いつけない。

二人がいる場所は、横浜外にある貧民街。敷き詰められた建物からは人の気配はない。その代わりに、とでも言うように人間の腐敗臭がする。居心地は非常に悪いが、二人(森鴎外とエリス)は何の気にもとめず、『まるで、それが当たり前かのように』歩いている。

ふと、先を歩いていたエリスという少女は、建物と建物の隙間を眺め、足を止めた。
見つめる先は、暗闇__。日が沈むのか、オレンジ色の光が、奥までと届く。
ここで気づいた。隙間の奥が、妙に一部分のみ広がっている。

そしてエリスは、その隙間の奥を指差した。

「どうしたんだい?エリスちゃん」

森鴎外が尋ねる。だかエリスは、その問いかけには応えず、先程と変わらず、建物との間を指差している。森は不思議に思い、駆け足でエリスの側まで駆け寄る。そして、指さされた隙間を覗き込むが、何も無い。

次の瞬間____


森鴎外の喉元に、鋭い刃が置かれる。あと1ミリ程で皮膚に当たるぐらいの近さだ。
この刃を握る手は、森の後ろに伸びているため、姿は確認出来ない。

森鴎外は焦る事無く、両手を挙げた。
エリスは「リンタローの阿呆」と、呆れるように両手を組んでいる。


そして森は、口角をニヤリと上げた。やはり、焦る様子は見当たらない。

日が沈み、マフィアの時間が訪れようとしていた。

02→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.8/10 (18 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
32人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ra_u(プロフ) - 月羅さん» うわぁぁぁぁ(´;ω;`)うれしいですうれしいです!!ありがとうございます!!了解しました(*^^*ゞありがとうございます!!(2回目) (2018年2月14日 20時) (レス) id: 6f735cd61d (このIDを非表示/違反報告)
月羅(プロフ) - 毎回更新を待ち遠しく思っています!この小説に出会えて良かったです!今後も応援しています!※部屋の件ですが芥川さんが良いです。お願いします! (2018年2月14日 1時) (レス) id: 1a0f63813d (このIDを非表示/違反報告)
ra_u(プロフ) - 栞さん» はじめまして!!本当だ!!ご指摘ありがとうございます!!直しておきます!!ご丁寧にありがとうございました!!<(_ _)> (2018年2月4日 21時) (レス) id: 6f735cd61d (このIDを非表示/違反報告)
ra_u(プロフ) - 真昼ノ夢さん» ありがとうございます!!!続くよう頑張ります!!m(*_ _)m (2018年2月4日 21時) (レス) id: 6f735cd61d (このIDを非表示/違反報告)
- 初めまして!貴方様の小説、読ませていただきました。面白かったです!続きが気になります!ところでなのですが、2ページ目の上から6行目、エリスと呼ばれていた少年と書いてあるのですが、少女ではないでしょうか…?頑張ってください! (2018年2月4日 20時) (レス) id: 0d2b24ac7f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ra_u | 作成日時:2018年1月30日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。