お届けもの２ ページ12
エドワード達はリゼンブールに訪れる道中、兄弟の捜し物である賢者の石の研究書が中央にある事を知った。
今まで闇雲に探し回るしかなかった彼らにとって、それは確かな前進の証拠。機械鎧が修理を待つ事すら浮き足立っていてもたってもいられなかったのだ。
｢おおぃ、ふたりとも。昼メシだから降りといで｣
階段の下から二人を呼ぶ声。義肢装具士を営むウィンリィの祖母、ピナコ・ロックベルだ。
言われてみれば工作室のある二階まで刻んだ玉ねぎのいい香りがしてくる。
昼食と言われてウィンリィはハッと時計を見る。
｢うわ、もう昼……｣
昨日から夜を徹して作業に当たっているが、この進み具合なら今夜も徹夜確定コースだ。
憂鬱そうに呟きながら工作機の電源を落とす。
｢ほら、行こうぜ｣
｢手洗ってからね｣
そうか 早く洗って来いよ、とエドワードは手を洗いに行くウィンリィを見送る。
｢あんたもよ!
粉石鹸貸してあげるから切削油まみれの手なんとかしなさい｣
完全に自分には関係ないと思い込んでいたエドワード。その首根っこを引っ掴んでウィンリィは一階の手洗い場まで連行するのだった。
｢はっはっは、賑やかだねェ｣
二人の様子を面白そうに見やるピナコ。部屋の隅の木箱に収まる半壊した鎧のアルフォンスが息をつく。
｢もう、兄さんったら……明日までなんだから大人しくしてればいいのに｣
｢仲がよいのはいい事ですな｣
エルリック兄弟の護衛として同行している大柄の軍人、アームストロング少佐のチャーミングなヒゲが微笑んだ。
そんな穏やかな空気をひっくり返すように、突如鋭い犬の鳴き声が響く。
ロックベル家で飼っている雌の黒い中型犬、デンの声だ。
普段は他人に吠えてかかる事などまずない温厚な性格だが、今は執拗に家の軒先で吠え続けている。
｢一体どうしたんだいデン?｣
異変を感じたピナコは食卓を立って玄関の扉を開いた。
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ウィワクシア(プロフ) - もぶおじさん» コメントありがとうございます!!嬉しすぎてころげまわってました。精進しますので今後ともよろしくお願いいたします！ (2019年3月20日 16時) (
レス) id: 4474fbdae4 (このIDを非表示/違反報告)
もぶおじ(プロフ) - 続編おめでとうございます！これからの展開に心を躍らせて待っております。体に気をつけて更新頑張ってください! (2019年3月20日 1時) (レス) id: d5af19b99a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ウィワクシア･D | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/793fed8a0b1/
作成日時：2019年3月19日 14時
