お届けもの1 ページ11
翌朝、お世話になったヒューズ一家にお礼をつげて、ダリアは今度こそリゼンブールへと旅立った。
いい人たちだったなぁ、と余韻に浸りながら、ひたすら東へと向かう列車の車窓を眺める。
ヒューズさんは立場上、危険な地域へ赴く事もある。明日をも知れぬ身だからこそ、あんなふうにひと時ひと時を大切に過ごせているのかもしれない。
その背を見送るグレイシアさんの気苦労も、きっと絶えない事だろう。
エリシアちゃん達が大人になる頃には、安心して暮らせるような平和な国家にしたい。それはヒューズさんも同じ思いだった。
みんなで目指すんだ。きっと出来る。
窓の外の景色は市街から豊かな緑に移り変わり始めた。なだらかな丘陵地帯がどこまでも続き、窓から流れ込む風は澄んでいて心地が良い。
今度こそはニューオプティン駅にたどり着けそうだ。
…☆…
ロックベル義肢装具店。店舗を兼ねたロックベル家の工作室で、機械鎧技師のウィンリィ・ロックベルは黙々と作業を続けていた。
昨日ひょっこり帰ってきたエルリック兄弟の兄 エドワードの機械鎧を、急ぎだと言う彼の為に明日までに完成させる為だ。
「ウィンリィ、進捗どうだ? 間に合いそうか?」
旋盤の前に立ち刃物台を調整するウィンリィの後ろで、作業台に手を付きながらそわそわと覗き見るエドワード。
「あんたねぇ、それ聞くの何回目!? あとそこに置いてる部品触らないでよ切粉まみれの手で! 仕上げが狂ったらもっと時間かかるんだから!!」
ウィンリィがイライラしながら答えると、エドワードは作業台の上の部品に伸ばしていた手を引っ込めた。
「わ、わりぃ」
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ウィワクシア(プロフ) - もぶおじさん» コメントありがとうございます!!嬉しすぎてころげまわってました。精進しますので今後ともよろしくお願いいたします! (2019年3月20日 16時) (レス) id: 4474fbdae4 (このIDを非表示/違反報告)
もぶおじ(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからの展開に心を躍らせて待っております。体に気をつけて更新頑張ってください! (2019年3月20日 1時) (レス) id: d5af19b99a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ウィワクシア・D | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/793fed8a0b1/
作成日時:2019年3月19日 14時