鋼の兄弟と4 ページ38
怪しいものを見る目でエドワードがこちらを見てくるが余計な話題を展開して尊敬する錬金術師に嘘は吐きたくない。会話を途切れさせる為にダリアはその視線に気付かないフリをして持参した水筒で喉を潤す。
ちなみに中身は手製のスポーツドリンクのような物だ。
ダリアの作戦の甲斐なく、アルフォンスに核心をつく質問を投げかけられた。
｢結局、ダリアさんって何者なんですか?｣
車の天井に頭を打たないよう背中を丸めるアルに尋ねられてダリアは回答に悩む。
やはりここは鉄板の『人間ですけど』という返しをしたいところだが、今のダリアではその返しすら真実か怪しいところだ。
｢マスタングさんの使用人を勤めさせて頂いております｣
無難な返しでやり過ごす。
｢そうなんですか?｣
アルフォンスがマスタングに確認するとマスタングは｢うむ｣と頷いた。
｢……こんな若い女性に世話してもらってるのかよ大佐｣
エドワードが茶化すように言う。ダリアが恥ずかしさに俯くのに対し、マスタングは堂々としていた。
｢何が言いたいのだね?｣
｢別に何も｣
エドワードは腑に落ちないと言わんばかりにダリアをじっと見る。
｢にしても、マスタング大佐個人の使用人がなんで東方司令部の中にいたんだよ｣
エドワードの疑問はもっともである。自分だって平然と東方司令部の敷地内を歩き回れる日が来るとは今朝まで思ってもみなかった。
｢えーっと、私は東方司令部に配属された国家錬金術師見習いでもあるんです。来年の国家錬金術師試験を前に、タッカーさんに色々と教わりたくて……ね、マスタングさん｣
ダリアは渋々もっともらしい嘘を吐く。ダリアは任務に差し支えの無さそうな設定を即興で適当に並べた。マスタングに訝しげな目で見られたがそこは笑って誤魔化すしかなかった。
｢ね!｣
｢……そうだな｣
ダリアが同意を求めてきて、マスタングは渋々頷いた。彼女が将軍と何を話し、嘘をついてまでついて来たかは分からないが、後でキッチリ説明させよう、と心に決めるマスタングだった。
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とむら(プロフ) - すごく面白いです！あの、設定でのイメ画ってウィワクシアさんが描いた絵ですか？なにかのアプリで描いた？ものならそのアプリって教えていただけないでしょうか？ (2017年12月31日 22時) (
レス) id: fe1253ce58 (このIDを非表示/違反報告)
ウィワクシア(プロフ) - 松本鈴香さん» ご感想ありがとうございます。初めてコメントを付けて頂けてとても嬉しいです。今後の励みとさせて頂きます。 (2017年6月11日 8時) (レス) id: 953d5472a5 (このIDを非表示/違反報告)
松本鈴香(プロフ) - ロイさん好きなので良かったです(*>ω<*) (2017年6月1日 0時) (レス) id: 2ed850d9b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ウィワクシア･D | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/793fed8a0b1/
作成日時：2017年3月6日 22時
