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研究の秘匿3 ページ4

「国家の為だ。お前もグランディウス家の娘なら理解できるだろう?」

 やはり研究成果の提示を求められた。
 嫌な汗が出る。ここで断ってしまうと立場的に都合の悪い事が起こりそうな気がする。
 しかし、言われた通りに焔の錬金術を公表すれば、戦場に更なる不要な火種を撒き散らすことになるのだ。そんな事を、ダリアは容認できはしなかった。

 無い勇気を振り絞って、やんわり断ってみる。

「父上、私はあの研究が国家のための力になるとはとても思えません」

 父の表情は変わらない。ダリアは父のその鉄仮面のように表情を変えない所が苦手だというのに、そこへ兄が横槍をいれてくる。

「役に立つかなど、それは貴様の決めることではない、ダリア!」

 兄の余計な言葉に内心舌打ちをしてダリアは父の方に向き直る。

「申し訳ありません父上。こればかりはお力になれません」

 萎縮しながらも ダリアがハッキリと断ると、父は「そうか」とだけ答えて、もうそれ以上追及してくる事はなかった。

 ダリアはこの時、ほっとしていた。父も兄も、焔の錬金術を諦めてくれたのだと。悪用される心配は無くなったと。

 その安心は、直ぐに消え失せることとなる。

…☆…
 数日後、ダリアがいつものように図書館から本を借りて研究室に帰ってくると、施錠しておいたはずの研究室の扉が無造作に開け放たれていることに気付く。

「あれ……? 閉めておいたのに」

 不思議に思いながら部屋へ一歩踏み入れると、謎が解けた。

 部屋に、研究資料を引っ掻き回している兄がいたのだ。

「何をしているのです!?」

 兄は勝手に研究室に入り込んだ事など気にもかけず、不遜な態度を示す。

「焔の錬金術の研究書を出せ」

「なっ……!?」

「聞こえなかったか」

 驚くことに兄は焔の錬金術を諦めていなかったのだ。

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設定タグ:鋼の錬金術師 , ロイ・マスタング , 市販書き(二次創作)   
作品ジャンル:恋愛
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とむら(プロフ) - すごく面白いです!あの、設定でのイメ画ってウィワクシアさんが描いた絵ですか?なにかのアプリで描いた?ものならそのアプリって教えていただけないでしょうか? (2017年12月31日 22時) (レス) id: fe1253ce58 (このIDを非表示/違反報告)
ウィワクシア(プロフ) - 松本鈴香さん» ご感想ありがとうございます。初めてコメントを付けて頂けてとても嬉しいです。今後の励みとさせて頂きます。 (2017年6月11日 8時) (レス) id: 953d5472a5 (このIDを非表示/違反報告)
松本鈴香(プロフ) - ロイさん好きなので良かったです(*>ω<*) (2017年6月1日 0時) (レス) id: 2ed850d9b2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ウィワクシア・D | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/793fed8a0b1/  
作成日時:2017年3月6日 22時

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