使用人爆誕3 ページ28
「よく似合ってるじゃないか。モスグリーンにして正解だったな。アールグレイの髪がよく映える」
ダリアは恥ずかしさで頬を桃色に染める。こんなに短いスカートをはいたのは生まれて初めてだ。
「これは……
マスタングさんの趣味ですか?」
ダリアが聞いてみると意表を突かれたようにマスタングは珈琲をテーブルに置いてむせ始めた。どうやら図星らしい。
ダリアは過去を振り返る。少なくとも十代の頃のマスタングは純粋だったのに。
「いや、これはその……」
マスタングが誤魔化そうとするのをダリアはこれ幸いと都合よく解釈して話を進める。
「おや、違いましたか。それなら普段はズボンで生活させて頂きますよ、動きやすいですから」
「あぁ、いや……うん、そうか」
頬を赤らめながら苦笑いして珈琲を飲むマスタング。彼に向き直ってダリアは改めてお礼を言う。
「この度は雇用して頂き誠にありがとうございます。何から何まで用意してくださってなんとお礼を申し上げれば良いかわかりません」
「まあ、そんなに畏まらなくてもいいぞ? 但ししっかり働いてもらうがな。例え君が元・良家のお嬢様であっても仕事は仕事だ」
少し真面目な顔をして告げるマスタング。ダリアはもっと真面目な表情で頷いた。
「当然です。六年の下積みで磨き上げた雑用テクニックをご覧に入れましょう」
「それは頼もしい限りだな」
微笑みながらも、マスタングは少し以外な気分だった。
ダリアは元々学者だ。教養は私に並ぶか、もしかしたらそれ以上かも知れない。そんな彼女が自ら進んで家政婦をやりたいと言い出した事も驚きだったが、それが生活の為仕方なく、というより、自ら楽しんでやっているようにすらみえる。昔は家に遊びに来ても『どうして私がこんな事を』と言って全く手伝いもしなかったのに。
マスタングが不思議そうにダリアの方を見ていると、ダリアは得意げに宣言する。
「凡事徹底。雑用なんて誰でもできますけど、貴方の私的な雑用を承るのはこの私だけなのだと教えて差し上げます」
凡事徹底。それは、当たり前のことを徹底するという意味。言うようになったものだ。マスタングは薄く笑を浮かべる。ダリアは本当に変わった。昔も子供なりに可愛かったが、今では立派な大人に成長していたのだ。
「では、お願いしましょう、私の可愛い
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とむら(プロフ) - すごく面白いです!あの、設定でのイメ画ってウィワクシアさんが描いた絵ですか?なにかのアプリで描いた?ものならそのアプリって教えていただけないでしょうか? (2017年12月31日 22時) (レス) id: fe1253ce58 (このIDを非表示/違反報告)
ウィワクシア(プロフ) - 松本鈴香さん» ご感想ありがとうございます。初めてコメントを付けて頂けてとても嬉しいです。今後の励みとさせて頂きます。 (2017年6月11日 8時) (レス) id: 953d5472a5 (このIDを非表示/違反報告)
松本鈴香(プロフ) - ロイさん好きなので良かったです(*>ω<*) (2017年6月1日 0時) (レス) id: 2ed850d9b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ウィワクシア・D | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/793fed8a0b1/
作成日時:2017年3月6日 22時