朝の陽射し2 ページ14
｢す、すまなかった。お詫びに朝食をご馳走するから。ね?｣
マスタングがあたふたとフォローするとダリアはあっさりマスタングの方に向き直る。
｢ホントですか?｣
開き直った表情でマスタングを見上げるダリア。正直、下手なプライドより日々の食糧の方がダリアにとっては重要だった。
…☆…
しかしまさか昨日の晩のマスタングはダリアと知らずに自分に接していたとは。あの親しげな態度は何だったのか。
マスタングが作ってくれたタマゴサンドを食べながら昨晩の事を思い出すダリア。これはいくらこのタマゴサンドが美味しいからといって許していい問題なのだろうか?
ダリアが不満に思いながらむしゃむしゃとタマゴサンドを頬張っていると、それを知ってか知らずかマスタングが微笑む。
｢旨そうに食べるんだな｣
マスタングはブラックコーヒーのマグカップ片手にハムサンドを味わう。
｢えぇ、美味しいですとも｣
美味しいのはそうだけれども。それにしたってマスタングがダリアの事に気づかず、あろうことか男に間違えていた事が引っかかる。
ダリアが素っ気なく返すとマスタングがダリアの考えを察したように苦笑する。
｢すまなかったね。私が思っていたよりずっとダリアが大人になっていたから、君だと気が付かなかったんだ｣
ただ、どことなく感じられる昔のダリアの面影を無意識の内に感じ取っていたからか、普段のマスタングらしからぬ特別扱いをしてしまった、という事をマスタングは敢えて口にしない。
｢それはもう、背ぐらい伸びますよ六年も経ってるんですから｣
ダリアは口を尖らせて言う。そういえばマスタングは昔、ダリアより圧倒的に背が高かったのでよくダリアに羨まれていたこともあった。まあ、六年経った今でもその差は歴然なのだが。
｢そうだな。六年経った。
ダリア、君が生きていて本当に良かったよ｣
そう言ってダリアを見つめるマスタングの目はとても優しい色をしていた。
〜筆者のコメント〜
前の晩にマスタングが｢ずっとここで働いていたのか｣みたいな事を言っていたのは｢見かけないウエイターだね｣というつもりで言ったようです。
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とむら(プロフ) - すごく面白いです！あの、設定でのイメ画ってウィワクシアさんが描いた絵ですか？なにかのアプリで描いた？ものならそのアプリって教えていただけないでしょうか？ (2017年12月31日 22時) (
レス) id: fe1253ce58 (このIDを非表示/違反報告)
ウィワクシア(プロフ) - 松本鈴香さん» ご感想ありがとうございます。初めてコメントを付けて頂けてとても嬉しいです。今後の励みとさせて頂きます。 (2017年6月11日 8時) (レス) id: 953d5472a5 (このIDを非表示/違反報告)
松本鈴香(プロフ) - ロイさん好きなので良かったです(*>ω<*) (2017年6月1日 0時) (レス) id: 2ed850d9b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ウィワクシア･D | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/793fed8a0b1/
作成日時：2017年3月6日 22時
