晩冬の夜に5 ページ12
暫く歩いた後、少し古いが綺麗に手入れされているアパートにたどり着いた。マスタングが扉の鍵を開け中に入る。それに続いてダリアも部屋にお邪魔する。部屋は広くて思ったよりシンプルな印象だった。
「そっちの扉の部屋が寝室だ。私のベッドを使っていい」
そう言いながらマスタングはコートとジャケットを適当に脱いで手近な椅子に掛ける。
「いえ、悪いですよマスタングさん。私は床で充分ですから」
居間にある一人掛けの小さなソファを二つ繋げて簡易のベッドにするマスタング。
「私はこれで寝る」
ダリアに背を向けてソファの上に寝転ぶ。サイズが足りないようで、膝を曲げて持て余した足を床に降ろしている。
しかしワイシャツ一枚で寝ようとするのは頂けない。いくら室内とはいえ、見るからに寒そうだ。
「でも、マスタングさんが風邪を引いてしまいます」
ダリアが彼の袖を引いて訴える。
するとマスタングの手が急にダリアの手首を掴み、ずいと自分の方へ引き寄せた。
「……??!!!」
「じゃあ一緒に寝るか?」
激しく動揺するダリアをよそに無表情で告げるマスタング。ダリアの心臓が跳ね上がる。
「謹んで遠慮します!」
ダリアは顔を真っ赤にして寝室に逃げて行った。
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とむら(プロフ) - すごく面白いです!あの、設定でのイメ画ってウィワクシアさんが描いた絵ですか?なにかのアプリで描いた?ものならそのアプリって教えていただけないでしょうか? (2017年12月31日 22時) (レス) id: fe1253ce58 (このIDを非表示/違反報告)
ウィワクシア(プロフ) - 松本鈴香さん» ご感想ありがとうございます。初めてコメントを付けて頂けてとても嬉しいです。今後の励みとさせて頂きます。 (2017年6月11日 8時) (レス) id: 953d5472a5 (このIDを非表示/違反報告)
松本鈴香(プロフ) - ロイさん好きなので良かったです(*>ω<*) (2017年6月1日 0時) (レス) id: 2ed850d9b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ウィワクシア・D | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/793fed8a0b1/
作成日時:2017年3月6日 22時