1話 ページ1
すべてのはじまりは日本。
産まれてすぐに捨てられ施設で育った青年のAは、高校を卒業後は一人暮らしを始めバイトをしながら穏やかに暮らす普通の人間だった。
そんなある日、深夜の夜道で彼の前に1人の女性が現れた。
『やっと見つけましたA様…貴方様の復活の日でございます…』
『誰だあんたは?』
『私は魔女のマリア…かつて貴方様に仕えた者です』
女はそう告げ彼の前に跪いた。
『まったく意味が分かんねーよ、俺は誰かを従えたことなんてねぇよ』
Aは、眉を潜めその場を離れようと女を横切り歩くと急に体が動かなくなった。
『なっ!?』
動けない彼の目の前に女は立ち話し始めた。
『貴方様ははるか昔、誰もが恐れるヴァンパイアでした…しかしとある理由から貴方様は人間となり生涯を終えました』
『俺が元ヴァンパイア!?あんた正気かよ!』
身動きが取れずとも声を出せた彼は女に向かって怒鳴った。
だが女は彼の言葉を気にせずに話し続けた。
『しかし、貴方様は死ぬ事は望まなかった…だから魔術で貴方様の魂は子孫の体に転生させるように、従えていた我々魔女に命令したのです』
『何なんだよ…俺にどうしたいんだよ…』
女の話についていけない彼はただ恐怖を感じ頭が混乱していた。
『我々の目的はただ一つ。貴方様を再びヴァンパイアに変え闇の世界を支配して頂ければと…』
再び彼の前に跪く女と彼の周りには複数の魔女達が現れた。
『さぁ…始めましょう…復活の儀式を…』
魔女達は彼に手をかざし呪文を唱えはじめる。
彼は喋れなくなり、体が異様に熱くなっていくのを感じた。
女はポケットから赤い液体が入った小瓶を取り出しフタを開け、彼に赤い液体を飲ませた。
彼の肉体は液体を飲まされた直後に一気に熱かった体が冷たくなっていき、眼球は黒くなり瞳が紅くなった。
そして彼の意識は途切れた。
目が覚め起き上がると、見知らぬ部屋でベッドの上にいた。
『目覚めたようですね』
部屋の奥の方から女が現れた。
だが彼の心は落ち着いており焦ることも恐怖を抱くこともなかった。
『俺は一体どうなったんだ?』
彼は女に問いかけた。女はベッドの横にある椅子に座り優しく微笑み嬉しそうに口を開いた。
『おめでとうございます、貴方様は見事にヴァンパイアになられました』
『俺がヴァンパイアは…』
彼は鏡に写る自分を観察するが変わった様子はなく、目も普通だった。
そんな彼を女はただ嬉しそうに見つめていた。
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作者名:想夜 | 作成日時:2020年5月27日 16時