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〆．
「………やっぱ、笑ってる方が可愛ええ」
「へ、」
流星さんに言われて、始めて気がついた。
私、最近笑ってなかった。
今日も、流星さんが誘拐してくれてから今の今まで、多分表情はかたいままだった。
「俺のハンバーグ食ったら、もっと笑顔なんで」
「うん」
流星さんの言葉は魔法みたい。
「そろそろ上がる？」
「んん、A先上がり」
私がのぼせないようにと気遣ってくれてるのだろう。
「後ろ向いててね」
「えー」
しぶしぶ私に背中を向けた流星さん。
そういうとこはちゃんと守ってくれるんだ。
「お先です」
脱衣所に出て、今日のところは着ていた下着を身に纏う。
「………流星さん？」
あれ。なんか、反応がないんだけど……。
「あのー…」
もう一度浴室のドアを開けると、
「流星さん！？」
流星さんが、
のぼせていた。
「………ごめんなあ、Aちゃん」
「いや…」
自分が下着姿であるということをすっかり忘れ、助けを求めにリビングへ駆け込んでしまった。
しげはソファーで寝落ちしていたし、望さんは既に部屋にいたので……
「お見苦しいものを…」
「そんなそんな、むしろ癒された言うか、その……や、なんでもないから！」
神ちゃんだけで良かった。
「流星、普段のぼせることないのになー。……ん？あれ？てことはさ、Aちゃん、流星と一緒に入ってたん？」
「や、正確には流星さんが入ってきたというか…」
「あー……」
見てしまったお詫びにと、神ちゃんがドライヤーで髪を乾かしてくれた。
「ところで、今更なんだけど…」
「どしたん？」
「流星さんは、どうして私を誘拐しようと思ったのかな。いつ、私のことを知ったのかな」
「んん…」
神ちゃんは少し考え込むようにしてから、ふふっと笑った。
「それは、流星から直接聞き」
ぽん、と丁寧に乾かされた髪に神ちゃんの手が乗る。
「流星のこと、見に行ったってくれへん？部屋の場所聞いた？いっちゃん奥やから」
「うん、ありがとう」
お礼を言ってから、階段の方へ足を向けた。
私が誰かを誘拐するとしたら、どんな人？
お金目的じゃなくて、その人を誘拐することが目的だとしたら。
「………好きな人、かなぁ」
少なくとも、大切な人だとは思う。
だけど、流星さんにとって、私ってそういう存在なのかな？
モヤモヤが晴れないまま、流星さんの部屋のドアをノックした。
〆．
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あお(プロフ) - うわぁぁぁぁもうズキュンこえてドキュンですわ (2020年5月20日 23時) (
レス) id: a4e0d9fce2 (このIDを非表示/違反報告)
#藤井あかね。 - 初見です!終わり方がすごくよかったです!りゅせくん×誘拐犯とか見たくて悶えてたんでほんまに嬉しいです~!笑なにしとんっていうレベルでキス魔でしたね…りゅせくんギャップですﾆﾔﾆﾔ (2020年2月11日 22時) (レス) id: 51602379ec (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - はゆなさん！完結おめでとうございます♪そしてお疲れ様でした(＞＜) 時折泣いてしまう場面もあり、凄く感情移入しやすかったです^^* オマケも楽しみにしております！ほんとうにお疲れ様でした^^* (2017年4月9日 7時) (レス) id: 597aa18841 (このIDを非表示/違反報告)
mrn - はゆなさん» 完結おめでとうございます！めっちゃわかります！確かに叶えてくれそうですね(笑)藤井さんの声で言われたら絶対にキュン死ですよ(笑) (2017年4月8日 0時) (レス) id: ae9b8e761d (このIDを非表示/違反報告)
はゆな(プロフ) - 有菜さん» 感想と応援コメント、ありがとうございました！おかげさまで無事に完結しました(*´ω`*)最後まで胸きゅんしていただけたら嬉しいです。 (2017年4月7日 16時) (レス) id: 0cb07950a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はゆな
| 作成日時：2017年2月6日 0時
