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〆．
「Aちゃん、大丈夫やからな」
しげが病院へと車を走らせている間に、神ちゃんがその病院に電話をかけてくれた。
治療室に入る前、二人は優しく微笑んでくれた。
だけど私の意識は朦朧としていて、上手く返事できない。
「輸血の必要があるかもしれません」
「血液型わかりますか？」
「や……わかんないです………」
「わかりました」
冷静に対処してくれるお医者さんの言葉に耳を傾けた。
輸血が必要なほど、出血酷いのかな……？
血液型なんて、こんな大きな怪我をしたことのない私には関係ないものだった。
でも確かお父さんお母さん二人ともAB型だって言ってたっけ。じゃあ、私の血液型は……。
「O型の輸血パックお願いします！！」
「…………え？」
聞き間違い？今、O型って……。
まさか。AB型の両親から、O型が生まれるわけ………。
「……………………」
少しずつ麻酔が効いてきて、意識が遠のく。
お父さんとお母さんの笑顔が、ふっと現れて、そして消えていった。
………それから、どれくらい眠っていたのだろう。
「A！Aは！？」
「あ、流星……」
「寝てるから静かに……」
「A………！」
「……………………」
流星さん……？
ズキンと痛む右手と頭に顔を歪めながら、ゆっくり目を開いた。
「A！！！……良かった、ほんまに良かった…」
「…………りゅ、せさ…」
思うように声が出なくて、口を閉じる。
「Aが、階段から落ちたって……頭からも手からも出血が酷いって………」
頭？
そっか、だから痛むのか………。
「心配、してくれて、ありがと…」
不安げな表情だった他の三人も、小さく微笑んだ。
「右手、確かAちゃん利き手やったよな？」
「しばらくは使わんで、ってお医者さん言うてた」
右手は握ることさえつらくて、私は素直に頷いた。
「ほんなら、ご飯は俺が食べさしたるわ」
「！？」
「流星大胆ー」
「きゃー」
けらけらと笑う望さんとしげとは裏腹に、流星さんの表情は真剣そのもの。
「ええと………じゃあ、お願いします」
「ん」
にっこり微笑んだ流星さんを見て、神ちゃんがこっそり耳打ちしてきた。
「流星、Aちゃんに頼られるんが嬉しいてしゃあないねん」
「え、そうなの？」
「何話してるん」
流星さんがぐいっと距離を縮める。
この人、思っている以上に私のことが好きかもしれない。多分。
〆．
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あお(プロフ) - うわぁぁぁぁもうズキュンこえてドキュンですわ (2020年5月20日 23時) (
レス) id: a4e0d9fce2 (このIDを非表示/違反報告)
#藤井あかね。 - 初見です!終わり方がすごくよかったです!りゅせくん×誘拐犯とか見たくて悶えてたんでほんまに嬉しいです~!笑なにしとんっていうレベルでキス魔でしたね…りゅせくんギャップですﾆﾔﾆﾔ (2020年2月11日 22時) (レス) id: 51602379ec (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - はゆなさん！完結おめでとうございます♪そしてお疲れ様でした(＞＜) 時折泣いてしまう場面もあり、凄く感情移入しやすかったです^^* オマケも楽しみにしております！ほんとうにお疲れ様でした^^* (2017年4月9日 7時) (レス) id: 597aa18841 (このIDを非表示/違反報告)
mrn - はゆなさん» 完結おめでとうございます！めっちゃわかります！確かに叶えてくれそうですね(笑)藤井さんの声で言われたら絶対にキュン死ですよ(笑) (2017年4月8日 0時) (レス) id: ae9b8e761d (このIDを非表示/違反報告)
はゆな(プロフ) - 有菜さん» 感想と応援コメント、ありがとうございました！おかげさまで無事に完結しました(*´ω`*)最後まで胸きゅんしていただけたら嬉しいです。 (2017年4月7日 16時) (レス) id: 0cb07950a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はゆな
| 作成日時：2017年2月6日 0時
