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おとぎのはなし 2 ページ19

不自然な屋敷の中を歩く


外は晴れているのに、何かが潜むような
誰の声も聞こえてこない



これ自体が夢だったら何もおかしくないのにな



なんて、昔の僕


以前の記憶の僕は思った事だろう
すり替わった記憶の僕が思っている程だから




1度、誰からか神に魅入られた少年の話を聞かされたことがある


___本当に、可哀想な子でね
全てを失ってしまったのさ



その子は肉親や兄弟、友達とも会うことは叶わなかった
神とその子の接触を、断ったり、邪魔をする者は消されていってしまった

気が狂ってしまったその子は死のうとした
……だけど、それを神は認めなかった

その子の意思を尊重することなく、蘇生させてしまったんだ


そうしていつしか神は、思う通りにことを進めようと

その子の全てを"代えてしまった"__


そんな、話だったな



それは忠告のようなものだったのかな

と、今思った



今更すぎてどうしようもないかもしれないけど
今からでも______




ドンッ





まぶたが閉じる中





最後に見えたのは、他でもない僕だった

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作者名:兎雨華 | 作成日時:2017年1月26日 3時

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