第2話_止まらない口 ページ3
『……はぁ〜、』
思いっきり息を吸って、吐く。
穏やかな風が吹いている屋上に1人の少女。
『……昼休みが学校で一番楽だなぁ』
私が屋上でくつろいでいると、後ろから声がした。
な「ちょっといい?」
誰だろう、そう思って振り返ると、ないくんと、他のみんながいた。
『……どうかした?』
笑顔でそう尋ねる。
ないくんはゆっくりと口を開いた。
な「ねぇ。無理してるんじゃない?」
『……いやいや!そんなことないよ!』
完璧に笑えているはず。隠せているはず。
り「その嘘っぽい笑顔、やめな!」
りうくんから頬を抓られた。
『いひゃいよぉ……!』
それに……と私は続ける。
『大丈夫だよ!』
満面の笑みを見せる。
大丈夫。大丈夫だから。
迷惑かけたくないんだよ、暗い顔して。
『みんな人気なんだからさ。私にばっか構ってたらみんなの評価下がるじゃん!だから、あんまり私と関わらない方がいいよ!』
実際私も影でコソコソ言われてるし。みんなも巻き込まれるかもしれないし。……みんなが巻き込まれることは防ぎたい。
初「なんで?」
『なんでって……、』
初「僕は何言われてもいいからAと一緒におりたい。」
『……』
なにそれ。
初「Aの気持ち、よう分かるで。」
私の気持ちが分かる?
『……嘘言わないで。』
「……!?」
『みんな他の人に囲まれてるじゃん!私の気持ちなんか分からないよ……。妹は誰とでも仲良くできる。顔も可愛い。私とは大違い。みんなも顔もかっこいいし、優しいし。私とは、いる世界が違うんだよ。……いや、もともと私と一緒にいちゃいけなかったんだよ。私なんかと一緒にいたら、それこそみんなが汚れる。』
お母さんも、お父さんも、紗也も言ってた。私といると汚れるって。
い「そんなこと、」
『そんなことあるよッ!誰も私も必要としてない。どうせ私が居なくなったって、みんな誰も気にしない。いふたちもそうでしょ?私が居なくなって少し経ったらもう忘れる。私なんか世界に最初から存在しなかったように。』
だめだ、とまれ私の口
そう思っても、勝手に口が動く。
『……そうだよ、私なんて生まれてこなきゃ良かったんだ。もういっそ、消えた方がましだよ。』
「……」
な「……A」
『なに、(パシンッ ……!?』
叩かれた……?
「!?」
な「……馬鹿!何言ってんの?俺らがAのこと必要としてないわけないじゃん!」
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まゆ(プロフ) - ひーいれりすさん» ありがと~!! (1月4日 21時) (レス) @page11 id: 8d529189ca (このIDを非表示/違反報告)
ひーいれりす(プロフ) - まゆさん» バレーか…なんかあったら話くらいは聞くよ!?愚痴でも何でも言ってね!!! (1月3日 23時) (レス) @page11 id: 2bb54841e6 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 琴葉さん» 辛い時も笑ってなくちゃ行けませんよね…。これから僕の実体験も入れていこうと思うので…((((((わかります!推しがいたらどんなに頑張れるか… (12月30日 14時) (レス) @page7 id: 8d529189ca (このIDを非表示/違反報告)
琴葉 - 作り笑いのが共感した。私の周りにもこんな最高に尊い推し達が居たらな… (12月29日 17時) (レス) id: b4deef9c69 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - ひーいれりすさん» かわいい💕 (12月12日 17時) (レス) id: 8d529189ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まゆ | 作成日時:2023年12月4日 21時