恋の誕生 ページ4
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理由は分からないけど心臓がチクリと痛んだ気がした。
はじめての感覚に戸惑いながら、私はあることに気づく
あの中から･･････彼女を選ぶ。
それはつまり･･････
A「 今からカップルが誕生するってこと？ 」
ナナ「 はあ？！」
A「 ナ、ナナちゃん！私見てくるね！お付き合いの始まり方！ 」
「ちょ、何言ってんのよバカ？」と軽い暴言を吐くナナちゃんに、もう一度「恋の誕生だよ！」と目を輝かせれば、呆れたように溜息を吐かれる。
そんなこともお構い無しに私は廊下の人集りに近づいた。
恋愛未経験の私は人様の恋を見て勉強させてもらおう！
どんなふうにお付き合いが始まるのか、不思議に思っていたところだったので、こんなチャンスに感謝しなきゃ！
小さい身長を恨みながら、必死に背伸びをして人集りの中心を見る。
み、見えない･･････。
ピョンピョンと飛び跳ねて見ても同じだった。
うう、折角のチャンスが･･････。
肩を落としている、背後からポンっと頭を撫でられる。
振り返れば、クラスメイトの川村壱馬くんの姿
壱馬「 何してんの ？ A 」
か、壱馬くん！
壱馬くんは優しくて頭も良くて運動もできて･･･まさに王子様みたいな人
会長さんが王子様という通り名を既に物にしている為、壱馬くんにはその名が付くことはなかったけれど、
会長さんがいなかったら、間違いなくその名は壱馬くんの物だったに違いない
眩しい壱馬くんの笑顔に、口の端を下げる。
A「 恋の誕生を･･････見たいんだけど見えなくて 」
壱馬「 恋の誕生？何言ってんのA 」
可笑しそうに笑う壱馬くんに、むっと唇を尖らせた
ど、どうして笑うの？
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作者名：月 | 作成日時：2019年9月16日 23時
