今世 ページ3
「…眠い」
何故こんなに人間の体は色々と休憩を必要とするのだろうか、と心の中で呟く。
コンビニから帰りながら口を大きく開け普通のサイズよりデカい肉まんにかぶりつく。
口の中に肉汁が溢れ出して思わずニンマリと笑う。
「やっぱり夜食にはこれが一番!」
道の真ん中であっという間にそれは無くなってしまった。
前前世からかなりの大食いだった為か、それとも体質のせいか今世もかなり大食いになってしまった…
モックモックと次は巨大デニッシュを頬張る。
私は茨城A。
これでも大昔は茨木童子と言われた大物の大妖怪だったのよ!(๑• ̀ω•́ ๑)✧
何故か誰も居ないのにドヤ顔をしてしまい慌てて顔を元に戻しフルーツサンドイッチを口にほおりこむ。
うん、美味しい(*´〜`*)ŧ‹"ŧ‹"ŧ‹"
実は私は2回転生して2回とも記憶がある。
酒呑童子様…旦那様ととても口惜しい死に別れをしてしまって転生して2回。
鵺とも酒呑童子様とも会えなかった。
しかも前世は肉親2人とも殺されてしまって鬼狩りをして最後に鬼に殺されて死んだ。
前世が鬼だった奴が鬼狩りなんて皮肉だけれど。
師範もまさか継子が前世が鬼だったと聞いたら驚いていたでしょうね。
…いや、あの人は窯門炭治郎の妹の鬼、窯門禰豆子を笑って受け入れたように私の事も笑って受け入れてくれたかもしれない。
次世では蛇柱様と幸せに暮らしているといいのだけれど。
閑話休題
私は前前世も前世も今世にも不満は無い。
不満があると言えば私のように生まれ変わってきた昔の知り合いに会えないくらいかしら。
前前世でお世話をした子とお世話になった人達には会えたのだけれどね。
ふう、
とため息をついて、牛乳1リットルあるパックにストローを刺して一気に飲み干す。
…まだ足りないわ。
思わずまたため息を着きそうになってしまった。
「ん?」
あれって…妖怪よね?
私の視線の先には掌に乗りそうな小さな妖怪達が夜道で歩いていた。
…そういえばもうすぐ百鬼夜行だったかしら
夜にコンビニに行くのはもう今日で最後ね
妖怪達と目があったのでニッコリ笑うと「茨木童子様ー」と飛び着くために私の方へ走ってくる。
その時だった
やけに明るい光が
私は迷いなく地を蹴っていた
あぁ、また酒呑童子様にお人好しって笑われる……
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作者名:咲夜 | 作成日時:2020年7月1日 23時