. 181話 肩書きさえ無ければ ページ4
｢見られちまったもんは仕方ないよな、運の悪いガキ。そこを動くなよ｣
なんて、男はどこぞの三流ヴィランのような台詞を吐いた。
男はニタリと薄気味悪い笑みを浮かべ、つかつかと歩いて近づいてくる。
対して、私は
｢…は?…何で動かないわけ?｣
『…自分で動くなって言ったじゃない』
｢…自 殺志願者かよ…気持ち悪ぃ
俺にそういう趣味はないんだ。他所でやれ｣
『…警察呼ぶけど』
｢お前お友達いないだろ｣
動かなかったのは、別に死にたかったからじゃない。死ぬのなら、受け入れてもいいと思っただけだ。
｢お前、さっきの奴らに追われてたんだろ?助けてやったんだ。感謝の気持ちとかないわけ?｣
『別に貴方がやらなくても私1人で制圧できた』
｢うわ…可愛くないガキ｣
私のことを何も知らないこの人は、私をただのAとして接してくれる。
学校にも家にも居場所が無かったこの時の私には、きっと居心地が良かったのだと思う。
｢お前、何で死にたいんだよ｣
『…逆になんで知りたいの』
｢別に、興味湧いただけ｣
それからだ、私のことを話したのは。
親がヒーローだったこと、教育のこと、学校のこと、個性のこと。
絶対に誰かに話すようなことは無かった。今でもそう思う、この時はどうかしていたんだと。
この人に話したのはただの気まぐれだった。ほんの少しだけ、心を許していたのだ。
たとえそれが、殺人者だったとしても。
終始、男は寒いと小言を言うことなく静かに聞いていた。
ヴィランに対する考え方が少し変わったのも、この人が始まりだった。
そんな矢先、
｢他人の人生語りほど退屈なものはないな｣
と、開口1番はそれだった。
『……
……通報する』
｢やめろ。冗談通じねぇのか｣
手をヒラヒラと泳がせる男は、急に黙りこみ考える仕草を見せた。私は特に声をかけることも無く、どんよりとした空を眺めた。
｢お前さぁ、こっち側来いよ｣
『…え?』
急に突拍子もないことを口走る男。
こっち側というのは聞くまでもなくヴィラン側ということだろう。そんなことい今まで1度たりとも考えたことがなかった。
『…言ったでしょ。私はヒーローにならなくちゃいけない。オールマイトを支えろと言われ続けてきたの』
そう言うと男は大袈裟に溜め息を着いた。
｢…お前さぁ、分かんないの?
どう考えてもヒーロー向いてないだろ｣
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レイ(プロフ) - あおさん» コメントありがとうございます!落ちはほんとに迷走してます💦かっちゃん、轟くんはもちろん夢主的には緑谷くんを好きになりそうだと思ったり。荼毘もありかも、とか…もしかしたら複数のルートを作るかもしれないです。。 (2023年5月3日 20時) (
レス) id: 4d64a1450f (このIDを非表示/違反報告)
あお - いつも楽しく読ませてもらってます❗️落ちが誰になるのか楽しみです‼️更新頑張ってください(^^) (2023年5月3日 20時) (レス) @page39 id: e91ba3f295 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - あめみやさん» ありがとうございます!コメント励みになります(T-T) (2023年4月30日 13時) (レス) id: 4d64a1450f (このIDを非表示/違反報告)
あめみや(プロフ) - 更新頑張ってください！！ (2023年4月30日 9時) (レス) @page35 id: a179dcb416 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - HARUさん» 1話だけ更新出来ました、!コメント嬉しいですありがとうございます😆 (2023年4月29日 18時) (レス) id: 4d64a1450f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイ | 作成日時：2023年3月8日 18時
