. 番外編2 ページ36
Aside
1か月前、何となく立ち寄った中庭には1つのベンチがあった。相澤先生に屋上を出禁にされてから、何処かいい場所は無いかと探していた私には丁度良かった。
今は教室で食べることが多いけれど。
木陰に隠れるひっそりとした白いベンチ。木立から漏れる太陽の日差しが少し、眠気を誘う。
『あの時も思ったけど…良い場所だね』
九｢あぁ、俺もそう思う｣
なぜ急にこの人が昼を一緒にと言ったのか分からないけど、彼がお礼になると言うならまぁ良いかと思った。
買ってきていたモンブランの乗ったプリンを開けると彼はげ、という顔を向けてきた。
『…なに』
九｢人の食べるものに口出す気は無いけど…足りるのかソレ。いや…足りる云々の話じゃ、｣
『…こういうのが好きだから』
九｢…そうか｣
目を逸らして言った。この話を続ける気はないということを、彼は察したらしい。
『…そういえば、名前を聞いてなかった』
九｢あ、確かにな。九条想真だ、経営科I組。えーっと…よろしく｣
『…九条?聞いたことあるかも』
九｢そうなのか?｣
『クラスの子が話してた』
九｢へぇ…｣
少し沈黙が続く。けれど気まずさが無い。このゆっくりとした時間はかなり、居心地が良い。
ふと彼が口を開く。
九｢…この前は悪かった。他に言い方があったと思う。強く言って、ごめん｣
“下らねぇって思うだけだ”
“そんなんで人の為って謳ってるのに、虫唾が走るんだよ”
別に間違ったことは言ってないと思う。ヒーローに存在を否定する彼は、多分、私に似ている。
『気にしたことは無いよ。あながち間違ってないと思うし』
九｢…
俺も昔は1度、ヒーローを目指した。
…けど個性がいいもんじゃなくてさ。使った事殆どねぇけど、父親と同じ感情操作みたいなんだ。だから早々に諦めた。
だから、自分は気付いて無いだけで、何処かであんたらを羨んでるのかもな｣
『……』
九｢…悪い。
こんな話、あんたにすることじゃねぇな｣
『…別にいいよ。
諦めたこと後悔してるの?』
九｢…してない。分かってんだよ…どう足掻いても、そっち側には行けない｣
そうは言って、彼は顔に影を落とす。
人生は親で全てが決まると嘆く人がいる。確かに生まれ持ったものでかなり差ができる。生まれた瞬間でさえ、スタートラインが違うというのだから。
そうだとしても、
『…ある人が言っていた』
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すずのあい(プロフ) - 凄く面白くて、一気見しました！キャラの性格とかぶれてなくて本当によむのがたのしいです！続きもとても楽しみにしてます。 (10月2日 16時) (
レス) id: be9f71b85f (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - メジロさん» ありがとうございます!!デザイン本当に苦手なので感激です!更新頑張ります️🔥💪 (2023年4月23日 21時) (レス) id: 4d64a1450f (このIDを非表示/違反報告)
メジロ(プロフ) - 夢絵があるのて始めてすき！！と思えました ヒロインコスチューム可愛いすきです ❤︎ ̫❤︎ (2023年4月19日 18時) (レス) @page46 id: e9d0f0e8d8 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - お化け👻さん» デザインは頭の中で出来上がっているので描いてみます!試験控えているので2週間後くらいになりますが(> <)💦 (2023年2月12日 22時) (レス) id: 4d64a1450f (このIDを非表示/違反報告)
お化け👻 - 夢主さんのヒーローコスチュームが見たいです (2023年2月12日 12時) (レス) @page32 id: 10a0cbfaa2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイ | 作成日時：2023年1月1日 23時
