. 163話 家族 ページ32
Aside
ふいに目が覚めた。
上体を起こすと、組んでいた腕が少し痺れているのに気が付き顔を顰める。
時計を見ると5時半を指していた。他人の家というのは落ち着かないはずなのに、久しぶりによく眠れた気がする。
肩には薄い布団が掛けられていて、ベッドで大の字に眠る彼が掛けてくれたものだと察した。
布団を畳み椅子の上に置いた時、ガチャリとドアが開かれた。
光｢あれ、おはよう。今ちょうど起こしに来たんだけど、
よく眠れた?｣
『…はい、おかげさまで』
光｢うん、それなら良かった。
あ、それで…1回家戻らなきゃいけないでしょ?車出すから準備しておいで｣
何気ない表情で、当然のようにそういう彼女に驚く。なんて、親切な人なんだろうかと。
『…流石にそこまでして頂くのは』
光｢何言ってるの。こういう時は大人に甘えなさい。ほら、朝ごはん出来てるから着替えて下りてきてね｣
それから朝食でフレンチトーストを頂いて、車を出してもらった。何から何までしてもらう事に申し訳なさが募る。
それに、爆豪はまだ寝ていたからお礼を言いそびれてしまった。
車の中、助手席から運転席に座る彼女に声をかける。
『…急に押し掛けてしまってすみませんでした。それと、名乗るのが遅れましたが、神崎Aと言います』
彼女はこちらをちらりと見て含み笑いをする。
光｢そんな畏まらなくていいよ。勝己から少し聞いてるし。Aちゃんってあの子と体育祭で決勝戦やってた子でしょ?1度話してみたいと思ってたんだよね〜｣
『…そう、ですか』
光｢勝己、学校で迷惑かけたりしてない?私に似たのか良くも悪くも思ったことはズバッと言っちゃうからさ。根はいい子なんだけど｣
『……』
“上に上がりゃ関係ねぇ”
“完膚なきまでの1位だ”
荒々しい言葉遣いはともかく、
彼の強い信念による、嘘偽りのない言葉には人を動かす力があるのだと思う。
『…爆豪くんの言葉には、色々と気付かさせられることがあります』
光｢…そっか。
あんたみたいな子が近くにいてくれて嬉しいよ。ま、これからも仲良くしてあげてやって｣
春の日差しのような暖かい眼差しだった。
昨日はテンポのいい言い争いをしていたけど、それはきっと、お互いに信頼を置いてるからこそ出来ることなんだ。
これが、親子
これが、母親
私は全て、
見なかったふりをした。
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すずのあい(プロフ) - 凄く面白くて、一気見しました！キャラの性格とかぶれてなくて本当によむのがたのしいです！続きもとても楽しみにしてます。 (10月2日 16時) (
レス) id: be9f71b85f (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - メジロさん» ありがとうございます!!デザイン本当に苦手なので感激です!更新頑張ります️🔥💪 (2023年4月23日 21時) (レス) id: 4d64a1450f (このIDを非表示/違反報告)
メジロ(プロフ) - 夢絵があるのて始めてすき！！と思えました ヒロインコスチューム可愛いすきです ❤︎ ̫❤︎ (2023年4月19日 18時) (レス) @page46 id: e9d0f0e8d8 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - お化け👻さん» デザインは頭の中で出来上がっているので描いてみます!試験控えているので2週間後くらいになりますが(> <)💦 (2023年2月12日 22時) (レス) id: 4d64a1450f (このIDを非表示/違反報告)
お化け👻 - 夢主さんのヒーローコスチュームが見たいです (2023年2月12日 12時) (レス) @page32 id: 10a0cbfaa2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイ | 作成日時：2023年1月1日 23時
