. 134話 ただの少女 ページ3
Aside
日は完全に落ちて、辺りは街灯の白い光に照らされている。昔と変わらずここらは静かだ。虫の鳴き声が聞こえてくるだけ。
『……
…昔、仲が良かった男の子と約束した。一緒にヒーローになるって。その人とはもう会えないけど、それが最初にヒーローを目指した理由。
…あ、それとオールマイトが私を名前で呼ぶ理由だけど。昔1度助けてもらったことがあって、その時のことを気にかけてくれてるから。別に特別なものじゃない』
轟｢……?｣
目を見開いて私を凝視する轟を、溜息をつきじとっとした目で見る。
『私の事教えろって言ったじゃない。
あんたの話をこれだけ聞いておいて、流石にフェアじゃないでしょ。だから』
轟｢でも、それは俺が勝ったらって…｣
『…電車で助けてくれたんでしょ、そのお礼。それに…不思議だけど、あんたになら話せる』
轟｢…?｣
最後にぼそっと吐いた言葉は届かずに消えていった。
そう、不思議。
オールマイトにも話せなかったのに、何故かこの人には自分の弱い所を見せられる。
『…でも、少し時間が欲しい。まだ自分でも整理できてないから。それまで待ってて』
轟｢…あぁ、…待ってる｣
(…あおいろ)
轟の真っ直ぐな瞳が私を貫く。その左の青い瞳が、ある人と重なって見える。
(…そういう事か)
轟といるのが心地良い理由がやっと腑に落ちた。彼は似ていたんだ、燈矢くんに。
『…そろそろ帰ろう。今日はお疲れ様』
公園を出て駅に戻ろうとしたのに、轟が未だに横を歩こうとしていたので立ち止まる。
轟｢?…どうした?早く行かないと乗り遅れるぞ｣
『…何で着いてくるの』
轟｢駅まで送る。暗いし危ねぇだろ｣
『…危ないって…私の事なんだと思ってるの。あんた今日私に負けたの忘れた?』
そう言えば轟はムッと顔を顰めた。流石に意地が悪かっただろうか
轟｢お前が強いとかはまた別の話だ。女の子なんだから。あと電車も、1人で乗る時は寝ない方がいいぞ｣
『……
………は…?』
轟｢?どうかしたか｣
『…
…とにかく送るのはいいから、じゃあね』
轟｢あ、おい…!｣
そのまま早歩きで駅まで行った。丁度電車が来ていたので乗り込んだら、車両には人1人居なかった。
『……なに、これ』
顔が少しだけ熱い。ああいうことを恥ずかしげも無く言い切った轟に、こっちが恥ずかしくなる。
“女の子なんだから”
そんなこと、初めて言われた。
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すずのあい(プロフ) - 凄く面白くて、一気見しました！キャラの性格とかぶれてなくて本当によむのがたのしいです！続きもとても楽しみにしてます。 (10月2日 16時) (
レス) id: be9f71b85f (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - メジロさん» ありがとうございます!!デザイン本当に苦手なので感激です!更新頑張ります️🔥💪 (2023年4月23日 21時) (レス) id: 4d64a1450f (このIDを非表示/違反報告)
メジロ(プロフ) - 夢絵があるのて始めてすき！！と思えました ヒロインコスチューム可愛いすきです ❤︎ ̫❤︎ (2023年4月19日 18時) (レス) @page46 id: e9d0f0e8d8 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - お化け👻さん» デザインは頭の中で出来上がっているので描いてみます!試験控えているので2週間後くらいになりますが(> <)💦 (2023年2月12日 22時) (レス) id: 4d64a1450f (このIDを非表示/違反報告)
お化け👻 - 夢主さんのヒーローコスチュームが見たいです (2023年2月12日 12時) (レス) @page32 id: 10a0cbfaa2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイ | 作成日時：2023年1月1日 23時
