.８４話 麻痺 ページ40
Aside (9歳)
父「＿＿A。お前は弱すぎる。何故だ？俺たちの血を持って生まれて、何故お前はここまで弱い？個性はまともに使えない。炎なんて燃えカス同然…能があるのは体術だけとは…無個性と変わらないじゃないか。
エンデヴァーの子供は炎も氷もそこらのプロ並みに威力が強いらしい。お前と同い年なのにな。
聞いているか？A」
『…ｹﾞﾎｯ……ﾊｧ………ﾊｧ』
父「俺たちはオールマイトを助けるためにヒーローになった。
だがヒーローになって、彼を間近で見て知ったよ。あの人がどれだけ強いのか。正直、あの人が俺に助けを求めることなんか無いんだと思った。だから、側で支える存在になるためにNo.2まで登りつめた。
…………要はあの人は人間だったということだ。無敵じゃなかった。死ぬんだ、あの人だって。実感した。
ヒーローを辞める時は迷った。この脚でもリスクは高いが続ける事だって出来た。だがな、俺は懸けたんだよ。お前の可能性に。だから引退してお前の育成に専念することにした。
…鬼の個性。異形、化け物としての強さ。俺はお前にそれを期待していた。」
"異形" "化け物"
父さんの言葉が同級生たちの言葉と重なる。
父「…だが、がっかりだ……お前は使えない。
もう消えてくれ。
失敗作を生かしておけるほど、今は余裕がないんだ。」
この瞬間、両親が何をするつもりなのか悟った。殺らなければ殺られると思った。
そしたら身体は勝手に動いていて母さんを炎で炙り、父さんを骨が折れるまで殴っていた。
ふと鏡に映る自分が見えて、そこで正気を取り戻した。顔にはべったりと返り血がついていて、額には大きな角があった。
力はどんどん溢れてくるし、炎の火力も桁違い。殴られた傷は塞がっていて傷跡もなかった。
母さんは動かないし、父さんは呻き声をあげていて。私は認めるしかなかった。自分は"化け物"なのだと。
少ししてから父さんがよろよろと立ち上がって私に近寄ってきた。そして私を抱き締めた。
父「…よくやった。個性が覚醒したんだな。これで、強くなれる。
やはり…あの人の言う通りだ。…お前は、最後の希望なんだ」
この時の父さんは笑っていた。
気持ちが悪かった。
怖かった。
憎かった。
暖かかった。
嬉しかった。
抱き締められたのも、笑顔を向けられたのも初めてだったから。
これが家族の暖かさなんだと思ってしまった。
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レイ(プロフ) - コメントありがとうございます！夏休みが終わったらまた更新を停止すると思いますが、それまでは続編に移行するので是非お付き合いくださいませ(*^^*) (2022年8月6日 13時) (
レス) id: 4d64a1450f (このIDを非表示/違反報告)
イレイス - 戻ってきてくれて嬉しいです！たまたま見てたら見覚えがあったので見てみたらまさかの私のお気に入りの小説だったのでとてもびっくりしました！勉強お疲れ様です！ (2022年8月5日 20時) (レス) @page50 id: a3782054c4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 爆豪落ちを期待しています(´｡✪ω✪｡ ` ) (2022年7月27日 17時) (レス) id: da308acd1e (このIDを非表示/違反報告)
ゼロラク - すごく面白いです!続きがすごく楽しみです (2022年6月26日 11時) (レス) @page41 id: 3be08e9739 (このIDを非表示/違反報告)
かわあい - 今日見始めた者ですがはまってしまいました..だから消すのだけはやめてほしいです！勉強頑張ってください！応援してます！ (2022年6月26日 0時) (レス) @page41 id: 173f9610a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイ | 作成日時：2022年3月7日 20時
