. 234話 神野の悪夢20 ページ8
“君を、弔と同じ境遇に置きたかった”
そして
“弔の傍で生き、
彼を守る存在が必要だからね”
男は飄々とした態度でそう続けた。
『…………』
オ｢貴様ｯ……A少女を、人の人生を何だと思ってるんだ!!!?｣
｢…本当はもっと早くに救ってあげられた。だがオールマイト。お前が僕の計画を邪魔したせいでこんなことになってる。
あの日、神崎Aが飛び降りようとした日。僕らの元へ堕とす絶好の機会だった。だがお前が現れ何も知らない身で彼女を奪った。
僕の気持ちがわかるか?ことごとく計画を邪魔される気持ちが。
だから計画を急いだんだ。彼女が完全にヒーローの手に堕ちるよりも先に｣
全部、作られた境遇だった?
父さんたちが私をヒーローにするために、毎日暴力を振るってきた事が。同級生に執拗に酷い扱いを受けたことが。ヒーローが私を助けなかったことが。
ふざけるな
私は、ずっとこの男の思い通りに動いてきたって?この男の希望通りに、私は強くなったと。
『…昔見た光景が見たいだとか、死柄木弔と同じ境遇に置きたいだとか……一体何がしたいわけ?私がこの話を聞いてそっちに着くとでも…』
｢強気でいられるのも今だけだ。なんせ、僕の協力者は君のお父さんとお母さんだからね｣
『｢……は?｣』
『父さんたちは関係ないんじゃ…ｯ』
｢彼らは僕の言う通り、君を強く育てたし、君を孤立させるために彼らは協力を買って出た。ヒーロー達にも先手を打つなど彼らには造作もない事だっただろうね｣
オ｢…何を馬鹿なことを…!!｣
『……ｯ…』
｢ほら、平和の象徴でさえ苦しむ君を信じず、ヴィランに堕ちた奴らを信じるんだぜ?酷い話だよなぁ｣
胸の中で憎悪が膨れ上がっていく。
もうこれが自分のものなのか、鬼城という男のものなのか分からない。
頭がおかしくなりそう。
自分の心がどれか分からない。
─父さんたちはきっと、私が強くなればいつか笑ってくれると思ってた。それだけを希望にここまでやってきた。
全部無駄だったんだ。私は結局、彼らにとって壊れたっていい道具にしかなれなかった。
──もうずっと、心が限界だった。
ﾎﾟﾀ
『もう……いやだ……』
オ｢……!!｣
『…何で、私ばっかり
全部…嫌いだ、お願いだから……
. 235話 神野の悪夢21→←. 233話 神野の悪夢19
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 752人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マヨケリ(プロフ) - コメント失礼します🙇ほんとに面白くて一気に読んでしまいました！！ (4月22日 20時) (
レス) id: 25632ac130 (このIDを非表示/違反報告)
ムーン - いつも楽しく読ませていただいています！個人的に夢主がめちゃくちゃ好きです！続き楽しみに待ってます！ (3月29日 19時) (レス) id: 4501a4fd46 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - あめみやさん» 読んでくださってありがとうございます。あめみや様のような応援コメントにいつも励まされています☺️ (11月13日 8時) (レス) id: 4d64a1450f (このIDを非表示/違反報告)
あめみや - 久しぶりに見たら神野の悪夢編終わってて目が飛び出しました！これからもご自身のペースで更新頑張ってください！！ (11月11日 19時) (レス) id: dd94fd2279 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 司さん» ありがとうございます^^自分でもこの先どうなるのか分からなくなってきましたが完結までは必ず持っていきます! (9月16日 13時) (レス) id: 4d64a1450f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：レイ | 作成日時：2023年7月25日 18時
