. 265話 飯田天哉 ページ39
公安委員会の方より1次試験の詳細を聞く。そして、ついに開始の合図は鳴り響こうとしていた。
爆｢フザけろ遠足じゃねぇんだよ｣
轟｢俺も、大所帯じゃ却って力が発揮出来ねぇ｣
｢…悪いけど、私も｣
爆豪くんを筆頭に、切島くんや上鳴くんまで行ってしまった。ならば僕がすべきことは。
*
｢…飯田、｣
工業地帯のようなゾーンに1人で向かった神崎くんを追ってきた。
『君が心配だったわけじゃないが、1人では万が一の時対処するのは厳しいだろう』
紛れもない本心だ。彼女が強いのは知っているが、個性が知られている僕らにとって単騎行動は命取りに繋がる。
もちろんそれを理解した上なのだろうが。
｢本当…A組はお人好ししかいないの｣
『俺はただ自分の役目を─』
｢来たよ｣
足音が聞こえた方に振り向けば、他校生が3人。
｢雄英…しかも二人だやっちまおうぜ!!｣
｢待て2位と4位のやつだ油断すんな｣
投げつけられたボールを避け、さらに向かってきた他校生を迎え討つ。1人を気絶させた間に、彼女は2人倒していた。
『3人か?』
｢いや、囲まれてる｣
見渡せば十人程に囲まれていた。おそらく物陰にも何人か隠れているだろう。
『退路は…無し,か。やるしかないな』
｢そうだね。面倒だけど,先に全員行動不能にした方が効率的だ｣
彼女はそう言うが、決して容易なことではないだろう。
｢付き合わなくたっていいんだよ｣
『…まさか,ここで引く訳には行かないさ!』
**
あまり時間は経過していない。が、数十人いた敵は既に全員制圧された。
『─驚いた。体育祭で身を持って理解していたつもりだったが…君、本当に強いな』
｢あんたもね。ただ、対人戦は慣れてるだけで…
……何やってるの?｣
『君は早く行くといい。先程の爆発音はきっと皆がいる広場からだ。俺はほかの生徒の補助に出るよ』
｢…委員長だから?｣
『あぁ。それに、兄ならそうすると思うからな』
｢………｣
彼女は僕を愚かだと思うだろうか。
それでも僕は、
｢──ヒーロー殺しは、｣
『！』
｢インゲニウムをなぞるあんたを否定したけど、…憧れの存在のように在ろうとするあんたは、真っ直ぐで…正しいと思う｣
『──…!!
ありがとう。俺も、皆を見届けたらすぐそちらに向かう、先に待っていてくれ!』
迷いがある訳でもない。素晴らしい兄を持ち、兄を指針として進み続けることに誇りも持ってる。
だがたったその一言で、救われたように感じた。
終わり
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マヨケリ(プロフ) - コメント失礼します🙇ほんとに面白くて一気に読んでしまいました！！ (4月22日 20時) (
レス) id: 25632ac130 (このIDを非表示/違反報告)
ムーン - いつも楽しく読ませていただいています！個人的に夢主がめちゃくちゃ好きです！続き楽しみに待ってます！ (3月29日 19時) (レス) id: 4501a4fd46 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - あめみやさん» 読んでくださってありがとうございます。あめみや様のような応援コメントにいつも励まされています☺️ (11月13日 8時) (レス) id: 4d64a1450f (このIDを非表示/違反報告)
あめみや - 久しぶりに見たら神野の悪夢編終わってて目が飛び出しました！これからもご自身のペースで更新頑張ってください！！ (11月11日 19時) (レス) id: dd94fd2279 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 司さん» ありがとうございます^^自分でもこの先どうなるのか分からなくなってきましたが完結までは必ず持っていきます! (9月16日 13時) (レス) id: 4d64a1450f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイ | 作成日時：2023年7月25日 18時
