. 264話 瀬呂範太 ページ38
瀬呂side
｢君が神崎さんだね。雄英に首席合格、体育
祭は準優勝。輝かしい成績に異例の天才と世間で騒がれて専ら注目の的だ。
神野では色々あったみたいだけど、こうして会えて嬉しいよ。良ければ仲良くしよう｣
神崎の両手を握って褒め称える他校生。心開いてくれるまで苦労した俺たちにとっちゃいい気分じゃ無いのは分かるが……
いよいよ轟が動き出した。並べ立てた響きのいい言葉以上に、彼女の両手を掴んでいることが我慢ならないらしい。
それに気付いた俺を含む生徒の顔が引き攣る。神崎も何されるがままになってんだと思いながらそばに寄った。
芦｢まずい、激おこプンプン丸だ！｣
瀬『ちょあんた、悪いことは言わねぇから』
──早いとこ離してやってくれ。
しかし、この言葉が続くことは無かった。
｢…仲良く?悪いけど、
表面上の世辞貰っても嬉しくない｣
｢!!｣
うんざりしたような声と、久しぶりに見る冷ややかな目に他の生徒も背筋を伸ばしたのがわかった。
一方、真堂はあっさりと手を離し笑顔でその場を去っていた。
『…大丈夫か?』
俺がそう言えば、神崎はこっちに振り向いて｢何が?｣と何事も無いように言い放つ。
まるで入学当初の神崎に戻ったようだった。けど、俺たちに対してはいつも通り、
そう思い込んでしまいたかった。
瀬『…何がって
……やっぱ、神崎はモテるよなーって話』
葉｢今の…真堂くん、だっけ?けっこうイケメンじゃなかった?｣
耳｢いくらイケメンでも初手で手握ってきたら警戒するでしょ。ね、A｣
｢…まぁ。ああいう、何考えてるか分からない人苦手なんだ｣
…何考えてんだか分からねぇのはお前だけど、なんて言葉は閉まっておいて。
峰｢俺は信じてたぜ神崎、お前がイケメンに靡く女じゃねぇってこと｣
上｢つーか今の、初期ロキならぬ初期Aみたいだったな｣
蛙｢それだけ私たちに心を許してくれてるってことかしら?そうならとっても嬉しいわ｣
芦｢もおーー可愛いやつめ〜！！｣
｢ちょ、…揺すらないで｣
切｢否定しねぇとあれがデフォルトになっちまうぞ神崎｣
…これまで、神崎自体に変化があった訳じゃなく、ただ俺たちに気を許してくれるようになったのか。
それはそうだとしても、今の神崎は危うい。今日だけでも何回か彼女と話した。そこはいつも通りのはずなのに、目が一度も合わない。
どこを向いてるんだ。何を見てんだ。
彼女はきっと、誰も信じちゃいない
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 752人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マヨケリ(プロフ) - コメント失礼します🙇ほんとに面白くて一気に読んでしまいました！！ (4月22日 20時) (
レス) id: 25632ac130 (このIDを非表示/違反報告)
ムーン - いつも楽しく読ませていただいています！個人的に夢主がめちゃくちゃ好きです！続き楽しみに待ってます！ (3月29日 19時) (レス) id: 4501a4fd46 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - あめみやさん» 読んでくださってありがとうございます。あめみや様のような応援コメントにいつも励まされています☺️ (11月13日 8時) (レス) id: 4d64a1450f (このIDを非表示/違反報告)
あめみや - 久しぶりに見たら神野の悪夢編終わってて目が飛び出しました！これからもご自身のペースで更新頑張ってください！！ (11月11日 19時) (レス) id: dd94fd2279 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 司さん» ありがとうございます^^自分でもこの先どうなるのか分からなくなってきましたが完結までは必ず持っていきます! (9月16日 13時) (レス) id: 4d64a1450f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：レイ | 作成日時：2023年7月25日 18時
