. 263話 轟焦凍 ページ37
轟side
上｢神崎と轟ー。菓子食べたら後ろ回してって｣
｢うん、ありがと｣
轟『…まるで遠足気分だな』
ヒーロー仮免許取得試験、当日。会場に向かうバスの道中はあまり緊張感が感じられない雰囲気だった。隣に座る神崎も、口数が少ないのを除けばいつも通りだ。
瀬｢ま、固くなりすぎるのも良くないだろ?｣
菓子袋を後ろの切島と爆豪に回す神崎を見ながら、｢…確かにそうだな｣と返した。
あれ以降、立ち入った話はしてない。神崎があまりにいつも通りだから俺もそう接することにした。
──世間を騒がせたあの夜、神野の悪夢。あの日神崎は初めて過去を語った。
断片的な内容でも分かるほど彼女が歩んできた人生は残酷なものだった。ただ彼女の境遇に怒り、奥歯を噛み締めることしか出来なかった。
きっとそれが全てなわけでは無いが、俺はこれ以上を知る資格も手段も持ち合わせてない。
そしてその元凶たるレインフォース…神崎の父親が敵と繋がってる可能性。
勝手ながら相澤先生に話を通した。オールマイトを終わらせたヴィランの言質もあり、極秘で操作が進められてるそうだが相手が相手で難航中らしい。
彼女の個性を暴発させるための嘘だったかもしれないと、信憑性は無いに等しいそうだ。加え、神崎が口を閉ざしている時点で進展が無い。
俺が彼女の過去を知って勝手に動いたこと、神崎が知ったら怒るだろう。既に1度拒絶されてる。…それでも、何をしても助けると言った。
“……でも、私は───”
あいつの本音を初めて聞いた。
胸が灼けるような痛みを感じる。
｢どうかした?ずっとこっち見て｣
『…いや、悪ぃ。
なんでもねぇ。』
もはや神崎1人で背負っていい問題じゃない。けどこいつは誰も頼ろうとしないから。
俺たちは、神崎を1人で戦わせないように。それだけはしてやらなきゃならない。
**
生徒一行が試験会場に到着する頃には、既に他校の生徒で賑わいを見せていた。
やはり、天下の雄英へ好機の視線を向ける者は多い。中には交流を求めて雄英生に話しかける人間も少なくなかった。
切｢やっぱ濃いヤツ多いなー！って、あれは…｣
轟｢…誰だあいつ｣
1人、真堂と名乗った生徒。気さくで爽やかな雰囲気の男子だ。彼はAに声をかけ手を握っている。
それを見たある者は不機嫌丸出しの表情を浮かべ、ある者はこの場に物間が居ないことを悔やみ、ある者は不機嫌丸出し男が突っかからないかヒヤヒヤしていた。
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マヨケリ(プロフ) - コメント失礼します🙇ほんとに面白くて一気に読んでしまいました！！ (4月22日 20時) (
レス) id: 25632ac130 (このIDを非表示/違反報告)
ムーン - いつも楽しく読ませていただいています！個人的に夢主がめちゃくちゃ好きです！続き楽しみに待ってます！ (3月29日 19時) (レス) id: 4501a4fd46 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - あめみやさん» 読んでくださってありがとうございます。あめみや様のような応援コメントにいつも励まされています☺️ (11月13日 8時) (レス) id: 4d64a1450f (このIDを非表示/違反報告)
あめみや - 久しぶりに見たら神野の悪夢編終わってて目が飛び出しました！これからもご自身のペースで更新頑張ってください！！ (11月11日 19時) (レス) id: dd94fd2279 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 司さん» ありがとうございます^^自分でもこの先どうなるのか分からなくなってきましたが完結までは必ず持っていきます! (9月16日 13時) (レス) id: 4d64a1450f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイ | 作成日時：2023年7月25日 18時
