. 248話 せんせい ページ22
相｢体調に変わりはないか?｣
『はい、とっくに全快してました…担当医の方が退院を許してくれなかっただけで』
相｢5日間も眠り続けたんだ、妥当な判断だろう。それで、入寮の件だが｣
その言葉に無意識ながら目線を落としてしまった。あからさまだったのか、先生は小さく溜息を落とした。
相｢オールマイトから粗方聞いた｣
ひゅ、と喉が鳴ったはものの、次の言葉に耳を傾ける。
相｢…何を思って退学を申し出たのか無理には聞かん。自分なりに考えて出した答えなんだろう。
だがな、こちら側としても譲れないんだよ。只でさえ雄英から拉致被害者を出したってのにそいつを退学させたとなると雄英の信頼問題に関わる。
何より、寮の本質は生徒を犯罪から未然に防ぐ所にある。
真っ先に狙われる可能性があるお前を、みすみす手放す訳にはいかない。…こっちの意を汲んでくれると助かる｣
決して軽い気持ちで言っていたわけじゃない。それでも、この先生を前にすると何も言えず押し黙ってしまう。
『…それは、学校側のお願い…ですか』
相｢そう受け取られると困るな。勝手な都合ですまないと思ってる｣
先生ははっきりと明言した訳では無かったが、それはほぼ強制事項だった。学校側の立場を考えれば当然のことだ。
強制的とは言え、その先は?
一ヶ月後に迫る仮免試験を受け、インターンに参加し、卒業と同時にヒーローとして社会に出る。とても考えられない未来だ。その気は微塵もない。
取り敢えず、という気持ちで入寮届けを受け取り家に持ち帰ることを告げた。先生は私の心中を知ってのことか、難しい顔をしていた。
ヒーローになる気がない人間をヒーロー科に置くこと。それ以上に彼にとって非合理な事があるだろうか。
それでもこの選択を与えたのは彼の慈悲がゆえ。きっと、そうだったんだろう。
**
八｢ｯ…Aさん…、おかえりなさい!｣
『…遅くなってごめん。もう平気だから』
久しぶりに顔を合わせた八百万は笑顔を浮かべた。けれど同時に、無理をしているようだった。
聞けば、切島･轟を筆頭に八百万、緑谷、そして飯田があの事件の場に来ていたそうだ。
普段冷静に物事を進める彼らが動いたという事実が、どれ程の想いを背負わせてしまったのかをありありと感じさせる。
先生に連れられA組の寮に訪れれば、既に手続きを済ませ入寮していた彼らの姿があった。
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マヨケリ(プロフ) - コメント失礼します🙇ほんとに面白くて一気に読んでしまいました！！ (4月22日 20時) (
レス) id: 25632ac130 (このIDを非表示/違反報告)
ムーン - いつも楽しく読ませていただいています！個人的に夢主がめちゃくちゃ好きです！続き楽しみに待ってます！ (3月29日 19時) (レス) id: 4501a4fd46 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - あめみやさん» 読んでくださってありがとうございます。あめみや様のような応援コメントにいつも励まされています☺️ (11月13日 8時) (レス) id: 4d64a1450f (このIDを非表示/違反報告)
あめみや - 久しぶりに見たら神野の悪夢編終わってて目が飛び出しました！これからもご自身のペースで更新頑張ってください！！ (11月11日 19時) (レス) id: dd94fd2279 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 司さん» ありがとうございます^^自分でもこの先どうなるのか分からなくなってきましたが完結までは必ず持っていきます! (9月16日 13時) (レス) id: 4d64a1450f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイ | 作成日時：2023年7月25日 18時
