. 247話 作られた居場所 ページ21
大事をとってあと2日間この病室で過ごすことが強制的に決定した。
雄英に入ってからの忙しない日々に思いの外慣れていたようで、何もすることの無い時間はとてつもなく長く感じた。
その間、ふと思い立って彼らのメールに返事をした。念の為の入院で身体は何ともないこと、そして心配してくれたことへの感謝の旨を。
すぐに既読が着いて、“無事でよかった”、“学校で待ってる”の返事が帰ってくる。
雄英をやめようと思ってるだなんて、とても言い出せなかった。待ってくれてる。それが
、会いに行かなくちゃならないと私に思わせたから。
2日間を経て、また長い家路を辿って帰ってきた。退院時には九条さんが車で迎えに来てくれたのだ。お互い、道中一言も喋ることなどなかったが。
しかし、お礼を言って車を降りようとした時、漸く彼が口を開いた。
｢…これから、どうされるおつもりですか｣
これから、というのは。
父さんたちとは連絡が取れないし、何を考えてるかも分からない。私もどうすればいいか分からない。
『……私は、』
その時、鞄に入れていたスマホのバイブが響く。彼は｢どうぞ｣と言って車に戻るように促す。画面を見れば、雄英高校の文字。
『ありがとうございます
…はい、神崎です』
相《いま何処にいる》
…怒ってる。いつに無く低いの声が耳元で響いた。皆目見当もつかなくて声が裏返りそうになったのを抑え、言葉を慎重に選んだ。
『…家の者に送迎してもらい、今自宅に着いたところです』
相《…ったく、お前な…。退院時くらい連絡しろ。連合の件は終わったわけじゃないんだ。狙われてる自覚を持て》
『…軽率だったことは認めますが…他にも用件が?』
相《察しがいいな。無理にとは言わないが今からこっちに来れるか?寮の件で話がある。予め親さんからの承諾は貰ってあるから、あとはお前の直筆サインだけだ。
それと、彼奴らも待ってる》
『…そう…ですね。分かりました
今から、向かいます』
そう言って通話を切った。
瞳が揺れる。握りしめる手に力を込めて零れそうな涙を堪えた。自分の居場所があるようで。それを待ってくれる人たちがいて。
しかし、
“全て僕が仕組んだ”
その言葉が過ぎって、どうしようもなく泣きたくなったのだ。
九｢雄英に行かれるのでしたらお送りします｣
その言葉にただ首を縦に振ることしか出来ない。道中、病室に残されていた紙切れを意味もなく眺めていた。
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マヨケリ(プロフ) - コメント失礼します🙇ほんとに面白くて一気に読んでしまいました！！ (4月22日 20時) (
レス) id: 25632ac130 (このIDを非表示/違反報告)
ムーン - いつも楽しく読ませていただいています！個人的に夢主がめちゃくちゃ好きです！続き楽しみに待ってます！ (3月29日 19時) (レス) id: 4501a4fd46 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - あめみやさん» 読んでくださってありがとうございます。あめみや様のような応援コメントにいつも励まされています☺️ (11月13日 8時) (レス) id: 4d64a1450f (このIDを非表示/違反報告)
あめみや - 久しぶりに見たら神野の悪夢編終わってて目が飛び出しました！これからもご自身のペースで更新頑張ってください！！ (11月11日 19時) (レス) id: dd94fd2279 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 司さん» ありがとうございます^^自分でもこの先どうなるのか分からなくなってきましたが完結までは必ず持っていきます! (9月16日 13時) (レス) id: 4d64a1450f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイ | 作成日時：2023年7月25日 18時
