.229話 神野の悪夢15 ページ3
｢……多分…ずっと好きだったんだ、お前の事が。それでまた、…全然違う形で出会ったけど、またお前に惚れた。
体育祭の時、緑谷とお前の言葉が俺を暗闇から救ってくれて、それからもお前の存在が俺を何度も力をくれたんだ。
…そこんとこは、変わってねぇんだな｣
ゆっくり丁寧に、それでいて強い意思で言葉を紡ぐ轟にAはハッとして顔を上げる。目にかかっていた髪を轟が指先で優しく耳にかける。
｢…これでも、伝わんねぇか?｣
『…〜〜ｯｯ』
Aは轟との近過ぎる距離に気付いて顔を勢い良く背けた。轟も髪の隙間から見える耳を赤く染めていた。
轟｢そういうわけだ。別に同情とかをしてるわけじゃねぇってのは分かって欲しい。
言っただろ、何をしても助けるって｣
Aは轟に何を求められているのか分かっていた。今までの事を考えれば絶対に言わなかっただろう。
けれど、ここまで自分に対し真剣に向き合ってくれる人を無下には出来ない。加えて、今の自分が偽物だということ。
ぽつりぽつりと小さく語られた話を、轟はただ静かに聞いていた。
初めてだった。
Aがその話をしたのは。
もう、随分前からA組の生徒たちはAにとって特別な存在になっていた。中でも、轟は。
｢──…俺は、敵がなんであろうとお前の味方でいる｣
『……』
｢……神崎、あそこに戻りたいか｣
轟が指すあそことは、あの神野の戦場に他ならない。以前から彼女にとってオールマイトという存在が特別なことを知っているからだろう。
｢お前が行きたいなら俺も行く｣
『……馬鹿じゃないの、』
｢そうかもな。けど本気だ｣
『……行かないよ。
どうせ私はすぐ消えるんだから。…あんた、偽物の私に色々話したわけだけど意味が無いとは思わないの』
｢無駄にはならねぇ。お前にこの記憶が残ってなくても、俺が覚えておくから｣
『…お人好しがすぎるんじゃない。
…それより、そろそろ緑谷たちの所に戻って。私ももう時期消えるだろうから』
｢…分かった。｣
別れが惜しくなる前に轟は踵を返して路地裏から出ようとAに背を向けた。しかし、後ろから袖を摘まれて足を止める。
驚いて振り返ろうとした轟を、『振り返らないで』と彼女は一言で制した。
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マヨケリ(プロフ) - コメント失礼します🙇ほんとに面白くて一気に読んでしまいました！！ (4月22日 20時) (
レス) id: 25632ac130 (このIDを非表示/違反報告)
ムーン - いつも楽しく読ませていただいています！個人的に夢主がめちゃくちゃ好きです！続き楽しみに待ってます！ (3月29日 19時) (レス) id: 4501a4fd46 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - あめみやさん» 読んでくださってありがとうございます。あめみや様のような応援コメントにいつも励まされています☺️ (11月13日 8時) (レス) id: 4d64a1450f (このIDを非表示/違反報告)
あめみや - 久しぶりに見たら神野の悪夢編終わってて目が飛び出しました！これからもご自身のペースで更新頑張ってください！！ (11月11日 19時) (レス) id: dd94fd2279 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 司さん» ありがとうございます^^自分でもこの先どうなるのか分からなくなってきましたが完結までは必ず持っていきます! (9月16日 13時) (レス) id: 4d64a1450f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイ | 作成日時：2023年7月25日 18時
