. 246話 いたみ ページ20
鈍い頭痛が脈打つ。
1番大切だったはずの人を傷付けて、ずっと守りたかった人を拒否した。
まるでそれを叱責するように鈍い痛みが頭に響く。もう何もかもを投げ出したい気分で、それでも背負いきれない責任があとを引く。
これでも冷静なつもりだった。
雄英を離れて、一体何をすればいいんだろうか。何をするにしろ、1度父さんたちに会いに行かなければ。
1番近くにいた私が何も出来なかったこと、とっくに合わせる顔なんてないけれど。
これから一生やりたくないことをやって、苦しみ続ければ私の業に報いることが出来るというのか。それも独りよがりの救済にしか思えない。
このまま誰とも関わらず、皆が私を忘れてくれたなら。それが出来たらどれ程いいか、どれ程辛いか。
皆は私の帰りを待ってくれているらしい。けれど、
個性がバレてしまったから。きっと今までと寸分変わらぬ関係ではいられない。彼らの目には、今までとは違う私として映る。
それがとてつもなく恐ろしいのだ。
嫌われたくないから、離れていって欲しくないから。自分から拒絶しないときっと、堕ちきってしまうから。
──思考を放棄するようにベッドに身を委ねる。その衝撃で、枕元から1切れの紙が床に落ちた。上手く動かせない腕を伸ばして拾う。
端が少し焦げていた。その匂いには覚えがあった気がした。鳴り止まぬ心臓を抑えながら、その紙を裏返す。
…真っ白だった。何も書かれていないただの紙切れ。そこで思考を止めていれば良かったのだ。
まさか、と思った程度。試しに指からほんの小さな炎を出した。紙を翳して火で炙る。
思った通り、字は浮き出た。
『───』
“Wait for me. Kidnap you”
走り書きで書いてあったその文字は、
(待ってろ……お前を…攫いにいく、)
違う、私が今考えていることが有り得るはずがない。貴方が生きてる可能性なんて。
さっきのはただの私の願望が作り出した夢だって。証明して欲しいのに。
どうしても、ある人物が脳裏に浮かんでやまない。私があの瞳を、彩を間違えるはずがないから。
縋りたくなどなかった。これ以上は自分を嫌いになれない程、自己嫌悪に浸っているというのに。
(本当に……迎えに来てくれたらいいのに)
烏滸がましくて、独り言にすら出せない。
───
すみません。
もう何を書いてるのか分かりません。
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マヨケリ(プロフ) - コメント失礼します🙇ほんとに面白くて一気に読んでしまいました！！ (4月22日 20時) (
レス) id: 25632ac130 (このIDを非表示/違反報告)
ムーン - いつも楽しく読ませていただいています！個人的に夢主がめちゃくちゃ好きです！続き楽しみに待ってます！ (3月29日 19時) (レス) id: 4501a4fd46 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - あめみやさん» 読んでくださってありがとうございます。あめみや様のような応援コメントにいつも励まされています☺️ (11月13日 8時) (レス) id: 4d64a1450f (このIDを非表示/違反報告)
あめみや - 久しぶりに見たら神野の悪夢編終わってて目が飛び出しました！これからもご自身のペースで更新頑張ってください！！ (11月11日 19時) (レス) id: dd94fd2279 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 司さん» ありがとうございます^^自分でもこの先どうなるのか分からなくなってきましたが完結までは必ず持っていきます! (9月16日 13時) (レス) id: 4d64a1450f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイ | 作成日時：2023年7月25日 18時
