. 245話 堕ちて堕ちて ページ19
『……全てを尽くしてここまで来た。ただ、そういうつもりだったって話です。
……全部諦めてしまいたい。でも、犯したことへの責任は果たさなきゃいけないから、逃げることは救いでしかない。
…でも、どうするべきか、何をすればいいのか分からない。……分からなくて……だから、』
脳裏にちらつく彼らの姿が、私の言葉を途切れさせる。優しく温かい彼らは、クラスメイトの私を待っているのかもしれない。
メールも電話も沢山くれていた。沢山心配をかけてる。大丈夫だって言いに行かないといけない。
でも、もう……雄英にはいられない。
そう告げたら彼は、彼女は…どんな表情を浮かべるんだろうか。もう、分かってることのはずなのに。
役目は果たせず終わってしまった。ならば、持つもの全てを捨てて、消えてしまいたい。
オールマイトが固く閉じていた目をゆっくり開いた。重い言葉を発するために、小さく息を吸ってから。
｢…すまなかった。
分かっていたんだ…君が私の為に生きようとしてくれていたこと。
分かっていながら何もしなかった。何処かで思っていたからだ……生きてさえいれば、ここにいれば君も、笑えるようになると…
ただ……君が負けまいと立ち上がるその強さに、安堵していた。けれど
君が私のために生きようとして、それで幸せになれないというのなら……君が後悔して止まない人生を歩むというのなら…もう、｣
やめて、それ以上の言葉を
言わないで
｢私のために生きるなんてことは、やめなさい｣
『───』
ただでさえどん底に堕ちきっていたのだ。唯一救いだと思っていた存在からの拒絶。絶望感が胃の底から頭の先まで拡がっていく。
声が出なかった。
”この人を死んでも守ってみせる”
私の存在意義が失われた。とっくに失くしていたのかもしれない。
そして、気が付くんだ。
何も変わってなかった自分に。過去の、燈矢くんのために生きようとして、それすら叶わなくて…次はオールマイトに縋った。
それも駄目だった。
吐き出したい程の自己嫌悪に襲われて目が回る。もう、何もかも考えたくなかった。
｢……だから、｣
何も聞きたくなどなかった。
『……1人にして下さい。』
｢違うんだ…,話を──｣
『ごめんなさい…、出ていって………』
オールマイトは病室を去った。必死に堪えた涙でその姿は随分とぼやけていたけてど。
もう、彼の顔は見れなかった。
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マヨケリ(プロフ) - コメント失礼します🙇ほんとに面白くて一気に読んでしまいました！！ (4月22日 20時) (
レス) id: 25632ac130 (このIDを非表示/違反報告)
ムーン - いつも楽しく読ませていただいています！個人的に夢主がめちゃくちゃ好きです！続き楽しみに待ってます！ (3月29日 19時) (レス) id: 4501a4fd46 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - あめみやさん» 読んでくださってありがとうございます。あめみや様のような応援コメントにいつも励まされています☺️ (11月13日 8時) (レス) id: 4d64a1450f (このIDを非表示/違反報告)
あめみや - 久しぶりに見たら神野の悪夢編終わってて目が飛び出しました！これからもご自身のペースで更新頑張ってください！！ (11月11日 19時) (レス) id: dd94fd2279 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 司さん» ありがとうございます^^自分でもこの先どうなるのか分からなくなってきましたが完結までは必ず持っていきます! (9月16日 13時) (レス) id: 4d64a1450f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイ | 作成日時：2023年7月25日 18時
