. 241話 助ける為に ページ15
穏やかな風が彼女の透き通る髪を揺らす。
窓を閉めて再び彼女の傍にある椅子に座って一つ溜息を漏らした。
午前午後と生徒宅への家庭訪問があるためこんな早朝にしか面会の時間を作れない。
あれから5日。彼女は一向に目を覚まさない。身体に異常は無いらしく、いつ目が覚めてもおかしくない。
しかし、植え付けられた個性の暴走は彼女に多大な負担を与えた。今はただ、時間が過ぎることを待つしかできないのだ。
──ｺﾝｺﾝ
控えめな音を立てながらドアが開かれると、スーツに身を包んだ男が立っていた。
『…君は、』
｢オールマイトさん…いらしてたんですね｣
彼は九条という男だ。レインフォースの秘書として働いている人物。
A少女の荷物一式と、見舞いの品を持ってきてくれたようだった。
｢…お久しぶりです。こんな形で再びお会いするとは、先の事は分かりませんね｣
『そうだね、本当に…
……すまなかった。私が彼女を守らねばならなかったのに』
｢いえ、Aさんを、我々を守ってくださったこと。1国民として感謝しています｣
“僕の協力者は君の両親だ”
九条想太。彼を見てオールフォーワンの言葉が頭をよぎった。
この男はおそらく、
その言葉の意味を知っている。
『……レインフォースたちは来てないのか?』
｢はい。騒動の後始末で時間が取れないんです。ですから僕が代わりに。｣
『…そうか。あまり無理をしないよう伝えてやってくれ。
……ところで、君は少女と関わりがあるのかい?彼女の口から一度も君のことを聞いたことがなくてね』
｢……私は、彼女が幼い頃から送迎を任されていたんです。ですがご存知の通り口数が少ない方なので、私は何も知りませんよ｣
｢…話は逸れますが、警察から彼女のスマホを預かりました。友人からの着信が溜まっているようなので、目が覚めたら教えてあげてください。｣
『それは……喜ぶだろうな。
どうもありがとう』
｢では僕はこれで、｣
『あぁ、』
憶測でものを測るのは避けなければならないが、どの言葉を疑うにしろまずはA少女の話を聞く必要がある。
誰が彼女を苦しめたのか突き止めるためじゃない。彼女が笑えるように、これからの話をしなくては。
『…家庭訪問の度に、君の安否を尋ねられるんだ。早くいい返事が出来るよう、目を覚ましてくれよな。A少女、』
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マヨケリ(プロフ) - コメント失礼します🙇ほんとに面白くて一気に読んでしまいました！！ (4月22日 20時) (
レス) id: 25632ac130 (このIDを非表示/違反報告)
ムーン - いつも楽しく読ませていただいています！個人的に夢主がめちゃくちゃ好きです！続き楽しみに待ってます！ (3月29日 19時) (レス) id: 4501a4fd46 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - あめみやさん» 読んでくださってありがとうございます。あめみや様のような応援コメントにいつも励まされています☺️ (11月13日 8時) (レス) id: 4d64a1450f (このIDを非表示/違反報告)
あめみや - 久しぶりに見たら神野の悪夢編終わってて目が飛び出しました！これからもご自身のペースで更新頑張ってください！！ (11月11日 19時) (レス) id: dd94fd2279 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 司さん» ありがとうございます^^自分でもこの先どうなるのか分からなくなってきましたが完結までは必ず持っていきます! (9月16日 13時) (レス) id: 4d64a1450f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイ | 作成日時：2023年7月25日 18時
