.228話 神野の悪夢14 ページ2
『どうして、あんたは…そこまで』
『何でそこまでしてくれるの…』
消え入るような声を聞いて、轟は少し屈んでAに真っ直ぐと目を合わせる。
轟｢……分かんねぇか?｣
Aは轟の恥じらいを帯びた声にも気付かない。勿論、そんな余裕が無かったというのもある。
普段の姿からは想像もできないほど、彼女は目を丸くして子供のような表情を見せる。そんなAに轟は小さく息を漏らした。
一方Aは何故笑うのか分からないといったような顔をしている。
轟｢…そうだな
…好きだからだ、お前の事が｣
｢きっかけは分かんねぇけど、いつの間にか惚れてた。不器用だけど優しいとこも、目標に向かって努力し続けるとこも、全部。
俺はお前を、強さ関係なしに守りてぇと思うし泣いて欲しくない。
…だからだ、お前が苦しんでるなら何をしてでも、助けてやりたいって思う｣
『そんなの…ｯ』
そんなの嘘だ、なんて言葉は轟の目を見れば当然消え失せた。それ以前に、冗談で言うような人ではないとAも分かっているから。
『…あんたは何も分かってないから…、私は…そんなこと言われて良い人間じゃ…』
轟｢分かってねぇのはお前の方だ…他が自分をどう思ってるかなんて、勝手に決めつけんな
…俺たちが、俺が、お前をどう思ってるかなんて分からねぇ癖に、なんで見放されるだとか思い込んじまうんだよ…!｣
卑屈になっている訳では無いのだ。
ただ、彼女の過去がそう思わせる。
何かあるだろうと分かってはいても、自分を蔑むAを轟は許せない。
彼女の両肩を掴んで再び目を合わせる。轟は息を1度息を吐き出してから、話し始めた。
｢昔、1人の女の子と会った。1度だけど、やけに頭に残ってて…また会いたいってずっと思ってた｣
｢兄貴の友達だったんだと思う。偶然家の前で会って、そこから出れねぇ俺をそいつは同情したり慰めたりしなくて、…ただ大丈夫だって、言ってくれた。｣
｢光が当たった白い髪がすげぇ綺麗でさ。…笑顔が眩しくて、明るい奴だった｣
『……まっ、て』
“…俺と昔、何処かであったことねぇか?”
“家はこの近くなんでしょ?なら、1度くらいは会ったことあるのかもね”
“…そう、だな”
“兄貴の友達だった”
“…あんたといると、何処か懐かしい気分になる”
『…まさか、…あんた』
受け入れ難い事実が、その可能性がAの感情をぐちゃぐちゃに掻き乱す。
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マヨケリ(プロフ) - コメント失礼します🙇ほんとに面白くて一気に読んでしまいました！！ (4月22日 20時) (
レス) id: 25632ac130 (このIDを非表示/違反報告)
ムーン - いつも楽しく読ませていただいています！個人的に夢主がめちゃくちゃ好きです！続き楽しみに待ってます！ (3月29日 19時) (レス) id: 4501a4fd46 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - あめみやさん» 読んでくださってありがとうございます。あめみや様のような応援コメントにいつも励まされています☺️ (11月13日 8時) (レス) id: 4d64a1450f (このIDを非表示/違反報告)
あめみや - 久しぶりに見たら神野の悪夢編終わってて目が飛び出しました！これからもご自身のペースで更新頑張ってください！！ (11月11日 19時) (レス) id: dd94fd2279 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 司さん» ありがとうございます^^自分でもこの先どうなるのか分からなくなってきましたが完結までは必ず持っていきます! (9月16日 13時) (レス) id: 4d64a1450f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイ | 作成日時：2023年7月25日 18時
