桜木軍団の紅一点は、バスケットマンたちに迫られています。2 (ページ23)

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許しページ23

二科の家は六畳一間の部屋でインテリアも
シンプルに飾ってある。必要最低限のものだけ
置いてる感じだった。

京子「お茶しか無いけど、どーぞ」

三「お、おぉ…すまね」

京子は静かにグラスを置く。
そして折りたたみテーブルの向かい側に座り、
テレビの音量を下げた。あ、この番組俺も見てる。

　いや、そうじゃねぇ！謝るんだろ！？

三「あ、の…二科…さん」

京子「花道達に……」

三「はい？」

京子「花道達に謝ったの？あんな馬鹿騒ぎ起こして…
　バスケ部に戻ってきて普通に部活してるけど…」

三「…………」

そういや、謝ったっけ…。
安西先生には頭を深く下げて謝罪した記憶があるが、
アイツらにはデケェ顔してただけだったかも…しれねぇ

　俺の表情を見て察した二科は「はぁ…」と、溜息を
吐いた。まるで、図星かとでも言うような感じで。

　
京子「アタシに謝っても仕方ないでしょ？」

三「で、でも…お前を病院送りにしてしまったのは
　事実だ……だから」

京子「あれはアンタがやったんじゃないんでしょ？
　アタシのことよりバスケ部の人達に謝罪するべき
　だと思うんだけど…」

三「……っ」

俺は拳をギュッと握る。
コイツが言っていることが正論すぎて…いくらバスケに
未練があってあんな騒動を起こしたにも関わらず、俺が
ノコノコ戻っていいなんて訳ねぇ…それでもだ。

　二科の頭にガーゼが貼ってあるのがチラリと見える。

　女のコイツを危険な目に合わせたのには変わりねぇ…
俺は畳の上に両手をついて二科に向かい合う。

三「二科…俺が手を出してなくともお前に傷を負わせた
　のに変わりはねぇ……だから、本当にすまなかった！！」

京子「…………」

二科は何も言わなかった。でも、コイツが何か言うまで
俺は顔を上げることはしなかった。
　コイツの気が済むまで、殴られてもいい…
今日はその覚悟でここにきたんだから。

　すると、スス…と二科が立って襖を開け、1冊の本を
取り出した。『バスケット入門の書』と書かれた古びた
本を……