桜木軍団の紅一点は、バスケットマンたちに迫られています。2 (ページ17)

今日:92 hit、昨日:120 hit、合計:19,521 hit

海辺で2人ページ17

pm18:30……

　京子ちゃんが待ってる砂浜まで駆け足で行く。
両手にポ●リの缶を２つ持って。

仙「京子チャンおまたせ」

京子「………ん、お疲れ様です」

京子チャンは段差に座って海を眺めていた。
相変わらず、そっけねーけど…可愛い。
随分待たせてしまったけど、ナンパとかされてなかったかな。

京子「さっきちょっと知らない男達に絡まれたけど
　すぐ追い返したから大丈夫」

仙「そっか、そっかぁ」

俺は飲み物を京子チャンに渡すと「ありがと」と
小さく笑ってみせた。それにしてもどうも様子が変だ。
なんか元気が…ない？ように見える。

　
仙「…ん？京子チャン」

京子「なに？」

俺は京子チャンの前髪と横髪を掬い取り上にあげる。
彼女の額にガーゼが貼ってあった。

仙「これ…どうしたの？」

京子「んー、まぁ色々あったんです」

仙「大丈夫なのか？ほかにも…」

京子「ほ、本当大丈夫だから…」

　
　何も教えてくれず、プイッとそっぽを向いてしまった
京子チャン…もともと俺に心を開いてないのは知ってた
けどさ、、だからといってしつこく質問するのも違うし、
放っておくのも違う感じがした。

　目元も赤く、手の甲にも軽く痣ができていた。でも、
物理的な痛みの方よりもなにか悩みがあるんだろう、
無理に聞くのも彼女が嫌がるだろうから…

仙「じゃー、何も言わなくていいからさ…せめて」

京子「？……な、ﾋｬ！」

俺は京子チャンの肩を抱き自分の体に引き寄せる。
そしてﾎﾟﾝ、ﾎﾟﾝ、とあやすように彼女の肩を軽く叩く。

　こんな海辺でやることじゃーないんだが、もう外は
暗く…ここら辺を通るのは車くらい。

　
京子「………せん…ど…さ」

仙「今は、なーんも言わなくていいよ。
　でも、俺が京子ちゃんの隣にいたいからさ…
　せめてこうさせてよ」

京子「…………」

殴られるのを覚悟で俺は京子チャンの頭の上に
自分の頭をｺﾃﾝ…とくっつける。彼女のサラサラの
髪を撫でるとﾌｯ…と力が抜けたような気がした。

　
　あ、月が出てら……

仙「海が綺麗だねぇ…」

京子「………………」

彼女は何も言わなかったけど…最後まで俺の肩に
重みを預けてた。長い前髪から覗く睫毛に水滴が
浮かんで夕焼け色に染まった頬に伝っていくのを
横目に俺はポ●リをｸﾞｯと飲み干した。