つれないヴィーナス！ (ページ6)

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稲実寮にて… ページ6

稲実の練習は基本月曜はオフとなってる。

　いいプレイをするためには休息も大事ということで、
みんな今日は学校の課題やったり自主練やったり…それぞれの
やりたいことをやっている。

原「おい、鳴。カルロス見なかったか？」

成「カルロなら今頃青道じゃないかな」

原「青道？どうして」

成「愛しのヴィーナスちゃんに会いに…だってさ」

原「ヴィーナス…？」

ガチャ……

　
カ「ただいまー…」

　噂をすれば、カルロが帰ってきた！

成「おっかえりー！どうだった？ヴィーナスちゃん」

俺は颯爽とカルロのところに向かう。
野球以外のことになんでこんなに興味を持つかって？だって
気になるじゃんか。年が一緒の女の子にあまり興味を持たな
そうなカルロがそこまで気に入ってる相手なんて…

　俺がウキウキしながら解答を待っていると、カルロは
深いため息を吐いた。あ、これは振られたパターン？

カ「今日もキュートかつクールだったぁ……ヴィーナスちゃん」

成「は？」

原「カルロス？」

カ「あんなに甘い顔した天使に罵られるなんて…俺はなんて
運がいい男なんだ。あの鋭く光る紅い瞳に上から目線で
見られるの…堪んねーよ…」

成「うわ…ドMかよカルロwwww」

カ「鳴、お前は坊やだから分かんねーんだ。なんなら
来週一緒に青道に…いやダメだ、そしたら坊やがヴィーナス
ちゃんに一目惚れしちまう。唯でさえ青道には野獣どもが
揃ってんのに…((ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ」

　
　うわ…こいつ重症だ。

　俺と雅さんは後退りながらブツブツ呟くカルロを
眺めていた。あんなに振られてもまだその女にゾッコン
なんてコイツの性根どうなってんの！？

原「これは…もうどうしようもないな」

成「やばい、カルロが白河並みにﾌﾞﾂﾌﾞﾂいってる！
違う意味で！ヤバい意味で！！」

白「おい、その変態と一緒にすんな…」

　ｽﾞﾓﾓﾓﾓというオーラを出した背後霊のように後ろにいた
白河にひと睨みされ、俺は少々チビってしまった。