何処かで… ページ34
A「はい、これで顔を冷やして」
カ「あぁ、ありがとう」
うおぉぉ！Aの、Aの家のリビング！！
Aの匂いが、Aの匂いが漂っている！！！！
A「べつに、ぶったの私だし…ごめんなさい」
カ「いいぜ、照れ屋なお前もキュートで魅力的だから
別に怒ってなんかねぇよ」
A「なに言ってんのよ……」
はぁ、とAはため息を吐く。その後麦茶を注いで俺に
差し出してくれた。
カ・A「「……………」」
それにしても、気になってたことがあったが、
Aは俺のことを覚えていないのだろうか……………
こんなにアタックしても俺のこと覚えてないような素振り
を見せる…もしかしたら、本当に……
A「ねぇ、神谷」
カ「ん？おぉ…どうした？」
A「私たち、どこかで会ったことある？
学校、じゃない場所で……」
カ「……………」
マジか…本当に俺のこと覚えてないみたいだ。
でも記憶の少しのかけらは残ってるみたいだ…よかった。
カ「去年の夏、甲子園の予選でお前に初めて会った。」
A「甲子園の予選……去年………んー、あ！
なんか行った気がする」
カ「うん、そこでお前はひったくり犯を回し蹴りで
とっ捕まえたんだぜ？」
A「あー…あーー……なんか居たわね、不審な輩が
でも、私と貴方が出会ったと言う証拠が…」
カ「これだぜ」
ジャージの腕をまくり、もう十分にヨレヨレになった
絆創膏を見せる。
A「絆創膏……あ！」
カ「！！ 」
A「貴方……あの時の…」
カ「思い出してくれたか？」
A「貴方あの時の……私が腕に絆創膏を貼ったひと？」
そうだ…やっと思い出してくれた。
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作者名：赤星 | 作成日時：2022年6月20日 4時
