つれないヴィーナス！ (ページ29)

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あの子の虜ページ29

成「なぁ、一也〜」

御「あ？」

差し入れを渡して生徒会室に戻って行った紅野さん。
汗を拭きながら隣のベンチに座っている鳴がダラっとした
座り方で俺の名を呼ぶ。

成「お前んとこの副会長ちゃんさぁ、可愛いじゃん」

御「は？なに言ってんのいきなり」

成「おれ見た目綺麗系の女子より、可愛い見た目の女の子
が好きだけどさ、あの子は別だわ」

鳴がこの先なにを言い出すか怖くて聞きたくなかった。
こんな臆病なの自分らしくないと思うが…紅野さんのこと
だったらいつもの調子じゃなくなるから

成「カルロが好きになる理由がわかるよ…」

御「鳴？」

成「あんな笑顔可愛いなんて反則すぎるじゃん？
最初は怖いと思ったけど、意外と優しいし…ギャップ？
ていうのかな。俺結構好きになっちゃった♪ 」

ストンッとベンチから飛び降りると、最後にひと口…
檸檬蜂蜜漬けをパクっと食べていった。

御「やべぇ…紅野さん何人の男虜にするつもりだよ」

　ｸｸｯと笑うけど、正直泣きそうだった。

　これから、まだまだライバルが増えそうで怖い。
紅野さんを他の学校の奴らに会わせたくねぇと思ったのは
これが初めてだ……

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そして、ひとり蜂蜜漬けを食べず腕の絆創膏を
見つめている男がいた。

カ「また…あの顔が見られた」

" A「後頭部……だいぶ腫れが治まったね」"

カ「やっぱりお前は俺のヴィーナスだな、A 」

ﾁｭｯと腕の絆創膏に軽く口付けをする1人の恋する男。
カルロス……そして彼は強く決心する。

カ「諦めねぇ……俺はお前をモノにするまで
何度も追いかけてやるぜ、A！」

　青く澄んだ空に……そう誓った

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白「お前、紅野さんの差し入れ…もうなくなるぞ」

カ「なっ！？やっべ！！！」

白「どうせまた何かしようと企んでんだろ」

カ「変な考え方すんのやめろや！」