窓枠。 ページ16
Side zm
zm「あかんわグルッペン、あったり前の様に出てった」
パチ、とインカムのボタンを押すと、溜息が聞こえた。
gr「そんなに育ての親が大事か」
zm「Aの場合は肉親よりも大事やろな」
と言えば苦笑された。
訓練場からAの部屋を睨む。窓枠は開いていて、カーテンが風に煽られている。
よっ、と言いながら部屋の窓へと登ると、机には手紙と黒いラメ入りのインカムが置いてあった。
律儀に「グルッペン・フューラー総統閣下へ」と書いてある。
zm「今の短時間で手紙書けるとかすごいな」
態々書き置きを残す辺り、グルッペンとはちゃうんやなぁ、と思う。
血繋がっとっても人格は似るわけ無いよな。
A。お前の師匠、ばり強いねんで？俺の目で俺の標的殺したりな、俺の事殺しに来たりな。
ぴくとさん、態々助けに行かんくても脱出出来ると思うわ。
zm「…なぁ？シッマ」
kn「気づいてんなら早よ言えや。コソコソしてたこっちが恥ずいわ」
呼び掛ければ、きぃ、と扉を開けて入ってきた。
明らかに苛立っている。
kn「せめてダクトから入ったれ」
zm「めんどいやん」
そう言えば、コネシマは突然ナイフを取り出した。
「これ、返し損ねたわ」なんて言いながら部屋を見渡している。
zm「とりまグルッペンのとこにこれ届けに行くわ。ナイフはエミさんにでも渡しといたらええんちゃう。まさかお前も慈悲鬼のとこ行かへんよな？」
じ、と睨みつけて言えば、「行く訳無いやろ」と真顔で返された。なんやねん。
俺がAの立場やったら絶対行くけどな。
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作者名：はぁな。 | 作者ホームページ：
作成日時：2022年4月17日 14時
